砂に埋もれた船を動かす「最後の鍵」

トロデーン城での悲劇的な過去を知り、ドルマゲス打倒への決意を新たにした一行。次なる目的は、大陸を渡る唯一の手段である「魔法船」を再び動かすことです。
そのためには、古の力を呼び覚ます「月影のハープ」という秘宝が不可欠。調査の結果、そのハープはかつて訪れたアスカンタ王国に保管されていることが判明しました。パヴァン王との再会を兼ねて意気揚々と城を訪れた私たちを待っていたのは、無情にも「ハープが何者かに盗まれた」という衝撃の事実でした。
せっかく王に笑顔が戻った矢先の不祥事。犯人の足取りを追う道中は、どこか嫌な予感が漂っていましたが、辿り着いた先にいたのは意外な「お馴染み」の顔ぶれでした。
10の強敵、8では愛すべき「ドン・モグーラ」



ハープを盗み出したのは人間ではなく、モンスターの一団でした。 その中心にいたのは、ドラゴンクエスト10をプレイしている私にとってはお馴染みの強敵、ドン・モグーラです。
「10」の世界では、何度も煮え湯を飲まされたトラウマ級のボス。その名を聞いた瞬間、おっさんの背中には冷たい汗が流れ、最大級の警戒態勢で戦闘に臨みました。しかし、いざ剣を交えてみると、今作の彼はそこまでの苦戦を強いる相手ではありませんでした。
さらに面白いのは、戦闘後のエピソードです。部下のモグラたちは、ドン・モグーラの下手すぎる演奏(ハープの無駄遣い)に相当参っていたようで、ハープを返してほしいというこちらの要求にあっさりと応じてくれました。 「アニキ、こいつらいい奴らだな……」 ヤンガスのそんな声が聞こえてきそうなほど、どこか憎めないモンスターとしてのドン・モグーラ。部下からも(呆れられつつも)慕われている彼らの一面を知り、おっさんの心には妙な親近感が芽生えてしまいました。
月夜の下で重なる「二つの調べ」


無事に月影のハープを奪還し、再びアスカンタのパヴァン王に穏やかな笑顔が戻ったことに胸をなでおろしました。いよいよ、魔法船を復活させる儀式の刻です。
ここで再び力を貸してくれたのが、月夜の超越者イシュマウリ。彼がハープを奏でる姿には、何度見ても息を呑むような神秘性があります。しかし、魔法船を呼び覚ますにはイシュマウリの力だけでは足りませんでした。
そこで舞台に上がったのが、馬の姿に変えられたミーティア姫です。 イシュマウリの奏でる月影のハープの音色。それに合わせるように響き渡る、ミーティア姫の清らかな歌声。二つの調べが月夜の下で重なり合ったとき、世界は一変しました。
心を震わせる「魔法船」復活の幻想美


魔法船が再び命を吹き込まれ、ゆっくりと砂漠を滑り出していく演出。 この場面の美しさは、言葉を尽くしても足りないほどの圧倒的な幻想美で描かれています。PS2というハードウェアの性能を極限まで引き出し、光と音、そして物語の情熱が融合したこの瞬間は、初プレイから14年経った今見ても、間違いなく心を震わせる名シーンです。
「……すごい。本当に動いたんだ」 画面の前で、おっさんは少年のように見入ってしまいました。呪いによってすべてを失ったトロデ王とミーティア姫。彼らにとって、この船が動き出したことは、失われた王国を取り戻すための、小さくも確かな「希望の光」に他なりません。
この船に乗れば、ついに宿敵ドルマゲスのいる新大陸へと向かうことができます。未知なる海、そしてそこで待ち受ける新たな試練。不安がないと言えば嘘になりますが、今の四人ならどんな困難も乗り越えられる。そんな確信を抱かせてくれるほど、魔法船の船出は力強く、そして美しかったのです。
新大陸へ!おっさんの冒険はさらなる高みへ


『ドラゴンクエストVIII』プレイリポート 第6回
総評としては、コミカルなドン・モグーラ戦から、涙が出るほど美しい魔法船の復活まで、ドラクエらしい「静と動」のコントラストが完璧に機能した最高のエピソードでした。
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ドン・モグーラの「下手な演奏」と、部下との絆にニヤリとしたい方
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ミーティア姫とイシュマウリの共演による、伝説的な映像美を体験したい方
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ついに手に入れた「足」で、未知の世界へと漕ぎ出す高揚感を味わいたい方
こうした方々にとって、この魔法船始動のチャプターは、冒険の折り返し地点を告げる重要なファンファーレとなるはずです。
パヴァン王の穏やかな笑顔に見送られ、私たちは新大陸へと向かいます。果たして、海の向こうにはどのような風景が広がっているのか。そして、ドルマゲスとの決戦の刻はいつ訪れるのか。おっさんの「鉄橋をも叩き割る」レベリングは、波飛沫を浴びてさらに加速していきます。次回の報告では、新大陸上陸の瞬間をたっぷりとお届けしたいと思います!