静寂の病室に忍び寄る影。タカヤとジン、死の淵からの帰還


病院の一室、ひとり静かにスケッチブックに向かうチドリ。しかし、いつも隣にいた順平がいない寂しさからか、その筆は進まず、どこか心ここにあらずといった様子でした。 その時、突如として病室の明かりが全て消え、世界は一瞬にして漆黒の闇に支配されます。
困惑するチドリの前に現れたのは、ムーンライトブリッジの戦いで海に消えたはずのストレガの二人、タカヤとジンでした。
「!!……生き延びていたのか。病院の電源を落とし、厳重な監視を掻いくぐって接触してくるとはな」 タカヤは再びチドリを自分たちの陣営に引き戻そうと迫ります。順平との出会いによって、死を恐れぬ人形だった彼女の中に芽生えた「迷い」。タカヤはその心の隙間を突くように、彼女に安息の地など存在しないと断言し、死の運命を共にするよう冷酷に宣告しました。
遺されたスケッチブック。チドリが選んだ「自分を壊す」決断

順平と過ごした日々に、これまでにない温もりを感じ始めていたチドリ。しかし、その変化こそが、これまでの「冷徹な自分」をすべて壊し、変えてしまいそうな恐怖となって彼女を苛んでいました。 苦しい葛藤の末、彼女が選んだのは……順平への想いを断ち切り、再び修羅の道へ戻ることでした。
「……ふむ。ベッドに遺されたスケッチブック。それが彼女にとって唯一の、そして最後の『未練』だったのだろうか」 大切にしていたはずのそれを残し、彼女は闇の中へと消えていきました。翌日、この失踪が活動部にどれほどの衝撃を与えることになるのか、この時の彼女には知る由もありませんでした。
深夜の非常事態宣言。風花が捉えた「活動部以外」の反応





平穏な眠りを破ったのは、風花からの緊急連絡でした。 作戦室に集まった一行に対し、美鶴先輩から衝撃の事実が伝えられます。タルタロス周辺で、活動部以外のペルソナ使いの反応をキャッチしたというのです。 「!!……荒垣さんの仇、ストレガか! 真田先輩や天田君が殺気立つのも無理はないぞ」
因縁浅からぬ敵の再来に、作戦室の緊張感は一気に沸点に達します。風花が必死に索敵を続ける中、そのレーダーが捉えた「予想外の人物」の影。風花が思わず絶句し、チドリの名を口にした瞬間、順平の顔から血の気が引きました。しかし、事態はさらに最悪の方向へと加速します。
通信ジャックと宣戦布告。苦しむ風花と順平の暴走


「!!……ぐああっ……! 風花、しっかりしろ!」 突然、風花が苦しみ出し、ナビゲーションシステムに異常が発生します。それはチドリのペルソナ能力による、活動部へのダイレクトな干渉でした。 チドリは風花の通信網を一時的に乗っ取り、冷徹な声で「タルタロスへ来い」と宣戦布告を叩きつけます。
病院で自分を待っているはずだったチドリが、なぜ敵として現れたのか。そして、なぜ自分たちを拒絶するのか。 動転した順平は、仲間の静止も聞かず、ただ叫びながら一人で部屋を飛び出していきました。 「……順平! 落ち着けと言っても無理だろうが、一人で突っ込むのはあまりに危険だぞ」 彼の純粋な想いが、最悪の形で裏切られようとしている……おっさんは、その背中に言いようのない不安を感じずにはいられませんでした。
虎穴に入らずんば虎子を得ず。美鶴が決断した「決戦の地」への出撃

この事態を前に、美鶴先輩は冷静な判断を下します。 チドリの豹変、ストレガの合流、そして未だに消えない影時間とタルタロスの謎。 「……ほう。罠の可能性は高いが、ストレガを叩かねば真実には辿り着けないということか」
これ以上、事態を静観することはできません。なにより、一人で虎口に飛び込んだ順平を放っておくわけにはいかないのです。美鶴は全員に、タルタロスへの緊急出撃を指示しました。
果たしてチドリの本心はどこにあるのか。そして、復活したタカヤとジンの狙いとは。おっさんは、タルタロスの入り口に立ち上る不穏な気配を感じつつ、第36回のリポートに向けて、愛と憎しみが交錯する決戦の模様を見届けることを心に誓いました。皆さんも、ペルソナ3が贈るこの「残酷な再会」を、ぜひ一度その身で体験してみてくださいね。