母なる存在「ニュクス」の正体。全人類に訪れる「影人間化」の恐怖






意識を取り戻した望月綾時の口から、ついに語られた「滅び」の全貌。 彼の正体が「死の宣告者」であるという衝撃的な事実に続き、今回ついに、滅びをもたらす母なる存在の名が「ニュクス」であることが明かされました。
ニュクスの目覚め。それは、私たちが知る一般的な「死」とは少し異なる、より根源的な絶望を意味していました。それは、自我や意識を失い、生きた屍と化す「影人間化」が全人類に波及すること。 「!!……街で見かけていたあの無気力な人々、あれが世界の終焉の姿だったというのか」 対抗策を問うゆかりに対し、綾時の答えは残酷なまでに明確でした。宣告者である自分が誕生した瞬間に、ニュクスの到来と滅びは「確定」してしまったというのです。
残された猶予は「春まで」。絶対不可避の滅びを前に立ち尽くす活動部


「……春を迎えることはできないだろう」 真田先輩の問いに返ってきたのは、あまりにも短い余命宣告でした。抗う術もなく、ただ滅びを待つだけの数ヶ月。活動部の面々は、自分たちが命懸けで戦ってきた日々が、結局はこの絶望へと繋がっていた事実に、かける言葉を失い立ち尽くします。
しかし、綾時の中にわずかに残る「人の心」――主人公の中に封印されていた10年間で育まれた人間としての性質が、彼に一つの「救済」を提案させました。それが、この物語最大の分岐点となる「究極の選択」です。
記憶を消して「偽りの平穏」を得るか。綾時が提示した残酷な救済



綾時の提案は、こうでした。「主人公の手で、綾時(デス)を殺すこと」。 それにより、活動部としての記憶、影時間やタルタロス、そしてシャドウに関するすべての記憶を消去し、滅びの瞬間までを「普通の高校生」として、恐怖を感じることなく過ごさせてやるというものです。
「!!……なんという悲しい贈り物だ。滅びを知らずに笑って死ねる権利と、引き換えに失うのは、皆で築き上げたかけがえのない絆だというのか」
本来、不滅の存在であるはずのデス。しかし、主人公を器としていたことで生まれた「人としての部分」を突けば、主人公にだけは彼を殺すことができる。自分はどうせ役割を終えて消える存在だから気にするな、と微笑む綾時。その他人事のような優しさが、かえって彼が主人公たちを想う「友人としての真心」に聞こえ、おっさんの胸を締め付けます。
12月31日の審判。行き場のない怒りと、重くのしかかる「忘却」の天秤


混乱する活動部。戸惑い、あるいは行き場のない怒りを露わにする仲間たちを前に、綾時は一つの期限を告げました。 「12月31日。その日までに、答えを出してほしい」 それを過ぎれば、綾時は影時間の闇に溶け、接触することすらできなくなる。記憶を消して安らかな死を迎えるか、すべてを覚えたまま絶望に抗い、苦しみの中で最期を遂げるか。
「……ほう。選択肢と呼ぶにはあまりにも無慈悲だが、それが綾時にできる精一杯の『友情』なのだな」 綾時が寮を去った瞬間、風花のレーダーから彼の気配が完全に消失しました。その事実が、彼がもはや「学校の友達」ではなく、人知を超えた存在であることを冷酷に突きつけます。
絶望を抱いて生きるか、忘却に逃げるか
ペルソナ3(PS2版・プレイリポート41)
総評としては、戦いの意味を見失いかねないほどの巨大な絶望を突きつけつつ、プレイヤーに「絆の価値」を問いかける、シリーズ屈指の重厚なシナリオ展開でした。
-
ニュクスという絶対的な「滅び」を前に、キャラクターたちがどう葛藤し、変化していくのか見届けたい方
-
望月綾時という親友を自らの手で殺し、平穏を買うべきかという究極の二択に、自らの倫理観を試したい方
-
残されたわずかな時間の中で、活動部がどのような「答え」を出すのか期待する方
こうした方々には、自信を持って「この12月の寒さは、ただの冬ではない。世界の終焉が放つ冷気だ。その中で君が灯す火は何か、選びなさい」とお勧めします。 影時間は消えず、タルタロスは高くそびえ立ったまま。おっさんは、去っていった綾時の背中を思い出しつつ、第42回のリポートに向けて、ついに訪れる「運命の大晦日」までの、葛藤に満ちた日々を追うことを心に誓いました。皆さんも、ペルソナ3が贈るこの「最も重い選択」を、ぜひ一度その身で体験してみてくださいね。