到達、タルタロス最上階。闇に飲み込まれた空と「巨大な月」の威圧感






ついに、この場所へ辿り着きました。タルタロス頂上。 そこから見上げる空は、もはや私たちが知る夜空ではありませんでした。いまにもすべてを飲み込もうとする、深淵のような闇の世界。ゆかりが震える指先で上空を指し示した先には、異常なまでの存在感を放つ巨大な月が鎮座していました。
「!!……なんだ、このプレッシャーは。風花がペルソナを使わずとも強烈な反応を感じるというのも頷ける。空気そのものが重く、冷たく、死の香りに満ちているじゃないか」
これほどまでの「終焉」を前にして、平気でいられる者などいません。しかし、活動部の面々の瞳には、恐怖を越えた先にある「不退転の覚悟」が宿っていました。
降り立つ滅びの化身。綾時の面影を宿したニュクスの「衝撃」


月を背に、ゆったりと地上へ降りてきた影。ついに姿を現した倒すべき相手、ニュクス。 しかし、その顔を間近にした一同は、息を呑み、言葉を失いました。そこに刻まれていたのは、あまりにも見慣れた、そして愛おしい「望月綾時」その人の顔だったからです。
「!!……綾時! 君が、君こそがニュクスだというのか」 ゆかりが思わずその名を呟きます。アイギスが鋭く問いかけると、ニュクスは「綾時」という名を懐かしみながらも、それは仮初の名に過ぎないと告げました。かつて死の宣告者としての役割を担っていたデス(綾時)は、今や本体であるニュクスの一部となり、分かち難き「滅びそのもの」へと変貌を遂げていたのです。
ニュクスが突きつける究極の問い。「死」という逃れられぬ宿命



真田先輩は、たとえ友の顔をしていようとも、滅びを運ぶ存在を「敵」と断じ、即座に武器を構えました。 「……ほう。誰が相手でも、たとえそれがかつての友でも、未来を奪わせるわけにはいかない。その強き意志こそが、今の活動部の真骨頂だな」
対するニュクスは、穏やかな、けれど絶対的な拒絶を孕んだ口調で問いかけます。人にとって最も恐ろしいもの、最も目を背けたいと感じるものが理解できているのか、と。それは、生あるものが誕生した瞬間から背負わされている、絶対的な「死」の宿命。その絶望を前にして、なお抗うことに何の意味があるのかという、神の如き残酷な問いかけでした。
亡き人々の想いを背負って。順平とゆかりが叫ぶ「生」への執着



死への恐怖。それを否定する者はここにはいません。しかし、今日という日を迎えるまでに、彼らはあまりにも多くの「大切な命」の終わりを見届けてきました。 愛するチドリを失い、その遺志を継いだ順平。彼は、託された命と思いを無駄にはしないと、ニュクスの前で力強く「生きる」ことを叫びます。
「!!……順平。君のその叫びは、チドリと共に歩む未来への誓いなんだな」 ゆかりもまた、父・詠一郎の非業の死を乗り越え、ようやく辿り着いた真実を胸に秘めていました。父の想いを受け継ぎ、どんな結末が待とうとも目を逸らさない。避けられぬ滅びを象徴する存在を前にしても、彼女の覚悟がブレることはありませんでした。
美鶴の号令、そして開戦。世界の命運を懸けた「最後の戦い」へ


友との決別、神との決着を見届けよ
ペルソナ3(PS2版・プレイリポート52)
総評としては、かつての友の姿を借りたラスボスという、最高にドラマチックかつ残酷な演出を背景に、キャラクターたちが積み上げてきた「生」への決意を爆発させる、クライマックスに相応しいエピソードでした。
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望月綾時の姿をしたニュクスとの対面。その切なさと衝撃を五感で味わいたい方
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絶望的な神の問いかけに対し、自らの人生を全否定せず、立ち向かう勇気を受け取りたい方
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活動部がバラバラだった過去を乗り越え、一つの意思となって最終決戦へ挑む姿に胸を熱くしたい方
こうした方々には、自信を持って「死は救済ではない。私たちが選び取る一分一秒の輝きこそが、ニュクスへの唯一の答えだ。その手で、運命を切り開きなさい」とお勧めします。 祭壇に響く召喚器の音、そしてペルソナたちの咆哮。おっさんは、活動部全員の想いを背負い、第53回のリポートに向けて、ついに始まる「ニュクス・アバター戦」の死闘を最後まで描き切ることを心に誓いました。皆さんも、ペルソナ3が贈るこの「人間賛歌の極致」を、ぜひ一度その身で体験してみてくださいね。