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当時のファミコン版を思い出しながらプレイ
当時、ファミコン版のドラクエ3が発売されるということで、前日から店に並び行列を作り、中には売れ残ったファミコンカセットとの抱き合わせ商法が横行するなど、まさにドラクエ狂騒曲といっても過言ではない出来事をリアルタイムで目のあたりにしてきた。
その世代としては、ドラクエ3はファミコンの隆盛を印象付けたこともあり、思い出深い1本だ。
そうした背景から、今回のPS4(スマホ移植版)をプレイするにあたり、少年時代の記憶を断片的にでも甦るキッカケを与えてくれた。
人生2度目となるドラクエ3をプレイする中で、はっきりと今でも覚えているエピソードもあれば、すっかり忘れていた登場人物や物語もあり、旧知の間柄でありながら、改めて新しい発見をするような感覚で遊ぶことができた。
グラフィックは向上しているが快適性に欠ける設計
本作は、スマホ版からの移植ということで、当時のファミコン版と比べれば格段に絵が綺麗になっており、戦闘シーンにおいても呪文を放ったときのエフェクトに爽快感があるなど、随所にグラフィックや演出の向上が見てとれる。
主人公をはじめとするキャラクターのサイズも大きく描かれており、中年プレイヤーとしては地味に嬉しいポイント。
ファミコン版から久々に遊んだ身としては進化と言っても良い部分もあり概ね満足いく内容ともいえた。しかし、一方でPS4に移植したのならもう少しどうにかならなかったという部分もあった。
本作では、装備品の一部などに道具として使用したときに特殊効果を持つ場合がある。しかしゲーム内ではその補足説明が一切ない。いかにリメイク作品と言えど、昔の記憶に頼るには心許ないし、新規で遊ぶ人なら尚更に不親切な設計である。
またアイテムを最大99個所持できるにも関わらず、やくそうなどを一度に購入できるのは9個までという無駄を踏ます制限も理解に苦しむ。スマホ版に開発上の制限があったとしてもPS4の移植にあたり、そうした部分は対応してほしかった。
もちろん、ファミコン版に比べればすべての面で改良されている。オートセーブや好きなところで中断セーブができるなど、プレイするうえではとても快適にも感じた。
だからこそ、名作のリメイクだけに、より細部にまで快適性を求めてほしかった。
それでも、久しぶりにドラゴンクエスト3を新たな形で遊ぶことができたのは嬉しかった。当時にはなかった追加コンテンツも含めて最後まで楽しくプレイする事ができたことにも感謝したい。
良かった点と気になった点
・シリーズ初となったキャラクターメイキングと転職システムがうまくかみ合い、好きな職業構成で攻略することができる。
・船の入手後、自由に航行し世界を冒険することができる
・勇者と父オルテガをつなぐ感動の物語とスマホ版によるオリジナル展開
・ロト三部作の完結という感慨深さ
・世界観を盛り上げる数々の名曲
・苦労せずにトロコン達成ができる
・進行する上での親切性にやや欠ける(今の新設なゲーム設計に比べてであるが)
・アイテムの管理、分類が快適性に欠ける
・苦労の割にはラーミアの活躍が乏しく、移植にあたり改良してほしかった
HD-2Dグラフィック版のドラクエ3が発売決定!
今年、ドラゴンクエストが35周年を迎えた。
それを記念してドラゴンクエスト3が装いを新たに、HD-2Dグラフィックバージョンで家庭用ゲーム機にてリリース予定であることが告知された。
グラフィックにおける表現が大きく変わっていることから、新規は当然、プレイ経験者も新たな気持ちで遊ぶことが期待できそうだ。
ファミコン版が発売された当時にプレイし、それから随分と時が経ち今回、本作をプレイ。
この先、HD-2Dグラフィックバージョンが発売されプレイできる環境であれば3度目の冒険に出るのか、考えただけでワクワクする。