・狩猟、釣り、探索をしながら過酷な環境を生き抜こう。
・ギアとロードアウトを準備しよう。どのエリアも美しいが、危険が潜んでいる。動物たちは必ずしも来訪者の存在を快く思っていない、要注意だ。そのため、バックパックと四輪バギーはいつでも使えるようにしておいたほうがいい。
・ゲイリーと地元の人たちが、たくさんの仕事を依頼してくるので忙しい日々が続くはずだ。それに、途中で4本足のパートナーができるかもしれない。
・レベルアップして、優れた武器、装備、乗り物を手に入れよう!果たして君は、熟練したスキルを持つ「マスターアウトドアマン」になれるだろうか。
[toc]
自然環境よりもゲーム環境が過酷だった
本作は、主人公を操作し、主に3つのマップを往来しながら様々なミッションをクリアしていくことを目的としている。
3つのマップは、それぞれの特色を持った自然豊かなエリアとして描かれ、ぼんやりと目の前にある景色を眺めたり、気の向くままに散策をしたりと、のんびりとプレイすることも可能。
しかし、自然は常に穏やかな顔をしているわけではなく、突然に牙を剝くこともある。
それぞれのエリアには猛獣が生息しており、有無を言わさず襲いかかってくる。その時、逃げるか、持ちうる武器で戦うかはプレイヤーに委ねられており、自然の美しさと恐ろしさを体験することになる。
2000円もしない価格の作品としては、グラフィック、マップの作りこみなどは頑張ってもおり、クリアまでにこなさければならないミッションの数もそれなりに豊富で、単純にプレイ時間だけで判断するなら十分なボリューム。
この内容なら手放しで称賛を送りたいところだが、それが出来ない理由がある。
それは、現時点において驚くほどバグがあることだ。
これまでもゲームを遊ぶ中で少しのバグぐらいであれば、特に気にせずプレイすることができた。しかし本作のバグは、突如、セーブデータが吹っ飛ぶという凶悪極まりないものから、進行中のミッションを途中で断念しロードしてやり直さないといけないものなど、無視の出来ないバグが散見し、途中、何度とプレイを投げ出そうと思ったか分からない。
あまりに大きく目立つバグが多いことで、これがこのゲームの仕様なのかと疑いたくなるほどだった。
それでも、国内のPS4では珍しいジャンルのゲームであり、それに触れるのが初めてということも一つの辛抱になったのか、なんとかクリアまで遊ぶことができた。
そんなすったもんだの末に胸に去来したのは、雄大な自然に囲まれ過ごした日々ではなく、バグに苛まれた日々だったというのも、今だからこそ笑える話である。
プレしてよかった点と気になった点
・メインミッションを気にしなければ、のんびりとキャンプ生活を楽しむことができる
・様々な場所にアウトポスト(簡易的拠点)を築くことができる
・登場人物たちの会話がフルボイス
・相棒の犬と共に冒険できる(あまり役に立つことはないが)
・とにかく様々なバグと遭遇し、セーブデータ破損などの致命的なものも頻繁に起こる
・ミッション数はそれなりにあるが、似たような内容が多い
・一部の翻訳(誤訳に近い)がゲーム進行の妨げになっている
・クラフトできる物が少なすぎる(一部のものは仲間のお店で買ったほうが効率的だったりする)
どんなゲームかと訊ねられると即答が難しい作品である
オープンカントリーをどんなゲームなのかと説明を求められたときに、即座に答えるのは難しい。
まずメインミッションを語るなら、自然豊かなエリアを舞台に、地元の住人から様々な頼まれごとをこなしていくことが中心で、その内容は特定の動物を狩ることや、施設復旧の手伝い、時に知り合いが遭難し、その救助にあたるなど多種多様である。
では、ゲーム性を語るとなると、これが難しい。
主人公は、体力や水分補給、睡眠などのパラメーターが設定されており、移動するだけでそれらは消費されていく。そしてある一定の水準を超えると生命の危機に瀕し、その対応を誤ると死亡(ゲームオーバー)となる。
そのため、マップ内を探索するなかで、水分の補給をするために川や湖など探し当てる必要がある。食料に関しても動物を狩り肉を得る必要がある。さらに言えば、水分補給には、清らかな水が流れる川を除けば、いちど焚火を起こして沸騰させる必要があり、それは動物から得た生肉も同じである(それらを怠ると食中毒になり胃腸薬などが必要となる)
*どのエリアにも点在する果実(ブル-ベリーなど)はお腹と水分を同時に満たしてくれるのでおススメ(鮮度だけは注意)
また、焚火をするにも枝や石などを集める必要がある。さらに睡眠をとるためにもアウトポスト(簡易キャンプ)を作る必要がある。ただし、食料とキャンプに関してはストーリーを進めていけばショップで買うことができるので、少しは楽になる。
それでも基本は自然から与えられた物を入手しクラフトしていくことに軸が置かれており、その点ではサバイバル系に属するゲームとは言えるかもしれない。しかし、慣れてくると、やれること(作れるもの)が少ないことにも気づく。
メインミッションを無視してひたすら自由に動物を狩ることもできるのだが、明らかに作りこみが甘く、動物の巣の近くにキャンプを張り、少し時間を経過(休憩)させると、無警戒な感じで現れる。一部、主人公を襲ってくる動物以外は巣から出現することが固定されているので、狩ること(食料を得ること)は難しくない。
また、ミッションで特定の動物をハンティングするものが幾つもあるのだが、これもバグの一つなのか、動物がその場所から微動だにしないということが度々あった。目の前まで近づいても逃げようとはせず、手足だけはバタバタさせているが、最後までそこから動くことはなかった。
初めてこの場面に遭遇した時は、これでいいのかという気持ちになりながらも至近距離から一撃で仕留め、ミッションクリア。
こんな具合なので、とても本格的なハンティングゲームとは言えない。
サバイバル生活も慣れてくれば大した緊張感もなくなり、動物を狩るのも固定出現なので、その近くにキャンプを張って時間経過をするだけで簡単に狩れる。
結局のところ、のんびりとキャンプ生活を楽しむゲームというのが、この作品を説明するに適しているのかもしれない。
バグが解消されたら良作になる可能性大
冒頭でも触れたが、とにかくバグが多い。体感的にはゲーム序盤で何度かセーブデータクラッシュを経験。中盤から終盤においてはデータが破損することはなくなったが、それでも細かなバグが途切れることなく続き辟易とさせられた。
それでも、ついつい遊びたくなる中毒性があり、なんとかメインミッションをすべてクリアすることができたのも事実。
もともとリーズナブルな価格設定を考慮すれば間違いなく力作といえる。途中でパートナーになる犬を伴い散策するだけで、なんとなく楽しい気持ちにさせられるゲームは中々ない。それだけに一人でも多くの人に遊んでほしいと思うのだが、やはり今の時点では、プレイに支障をきたすバグが多すぎて、強くお勧めすることができない。
この先、新たなミッションや遊びの追加までは求めないから、せめて、今あるバグを解消をしてほしい。そうすれば安価で遊べる良作と勧められるのだが、これだけは開発元しだいなので願うことしかできない。