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『ウォッチドッグス2』クリアレビュー:飛躍的なハッカーの進化を楽しめる、明るく痛快なハッキングアクション!

投稿日:2021年1月6日 更新日:

前作『ウォッチドッグス』のダークなシカゴから一転、サンフランシスコの眩い陽光が降り注ぐ舞台へと移った『ウォッチドッグス2』

主人公も一新され、デッドセックの新メンバーとして加わることになるマーカス・ホロウェイを中心に、新たなハッカーたちの物語が幕を開けます。この大胆な転換は、ゲーム全体にどのような影響を与えたのでしょうか。クリアした今、その感想を余すことなくお伝えします。

2016 年、アメリカの数都市で街の安全性と効率性を高めるために都市インフラをネットワークで繋ぐ、最先端のオペレーティングシステムctOS 2.0 が導入された。
技術革新発祥の地、サンフランシスコ・ベイエリアに暮らす頭脳明晰な若きハッカー、マーカス・ホロウェイは、有名ハッカーグループ、デッドセックの仲間と共に、腐敗した企業の手によって、不正に大規模な市民の監視と操作を行うctOS 2.0 の隠された危険を暴いていく。
果たして、マーカスとデッドセックは、ハッキングの能力を駆使してctOS 2.0 をシャットダウンさせられるのだろうか。
市民の手に自由を取り戻す戦いが、今始まる。

前作からの劇的な変化:明るいトーンと個性豊かな仲間たち

前作の主人公エイデン・ピアースは、過去の過ちに囚われ、孤独な復讐心を胸に生きていました。そのため、物語全体が重苦しく、時に陰鬱な雰囲気に包まれていました。しかし、『ウォッチドッグス2』では、マーカスの明るく社交的な人間性が物語全体に大きな影響を与えています。

マーカスだけでなく、彼を取り巻くデッドセックの仲間たちもまた、非常に個性的で魅力に溢れています。ハッキングスキルはもちろんのこと、アートやメディア、社会活動など、それぞれのバックグラウンドを持つ彼らが織りなす会話や行動は、プレイヤーを飽きさせません。強大な敵組織であるブルーム社とのレジスタンス活動においても、彼らが一緒にいるだけで楽しい気持ちにさせてくれます。

その結果、シリーズ作品として本作をプレイすると、これまでになく明るい気持ちになることに驚かされます。時にその眩しさに、良い意味で戸惑いを感じることもありました。前作の重厚な雰囲気も魅力的でしたが、本作の明るさは、ゲームプレイに新たな風を吹き込み、より多くのプレイヤーにリーチする可能性を秘めていると感じました。

さらに印象的だったのは、エイデンの戦いが個人的な復讐に終始していたのに対し、マーカスはデッドセックの活動を通して仲間を増やし続け、世の中に対する影響力を着実に獲得していく点です。その影響力は、強大な敵組織ブルーム社への対抗手段となり、社会に鉄槌を下していく展開は、まさに痛快の一言に尽きます。その手段もまた、ハッカーならではの巧妙かつユニークなものが多く、それが最後まで貫かれるため、マーカスの人間性が強く反映された物語であると深く印象付けられました。

ハッカーの進化を象徴する新たな試み:ドローンの圧倒的存在感

ハッカー集団であるデッドセックとしての活動に重きを置かれた本作は、マーカスを操作する上でもそれを強く感じます。特に、今回から追加されたドローンの存在がその象徴と言えるでしょう。このドローンは、単なるガジェットの域を超え、ハッキングからギャングの壊滅、果ては敵組織のアジトを襲撃し殲滅するなど、軍事運用レベルの戦闘力を発揮します。

ドローンがあまりに有能すぎて、それを操作するマーカスがずっと地面に座り込んでいる姿が当たり前の光景となるほどです。本来、ゲームを遊ぶ上での選択肢の一つに過ぎないガジェット枠のはずが、大きくゲームバランスに影響を及ぼしている点は、ハッカーを主軸にした本シリーズの新たな挑戦と好意的に見ることができます。これにより、従来の銃撃戦に頼らない、よりハッカーらしい立ち回りという新しい遊び方が提供されました。

しかし、一方で、シリーズの火付け役となった前作のエイデンが見せてくれた世界観は、電脳世界一色だけでなく、古きハードボイルドの作風も合わさったものであり、要所ではたっぷりと銃撃戦を楽しむこともできました。その点では、本作で銃撃戦の比重が格段に低くなったことに、ふと寂しい気持ちになる人もいるかもしれません。

今回も様々な銃器が用意され、それをハッカーベースにある3Dプリンターで作成するという面白い演出もあります。しかし、実際にそれを持ってマーカスがエイデン並みに暴れることができるかと言われると、残念ながら難しいのが現状です。そもそもマーカスの耐久力の設定が低く、お世辞にも継戦能力が優れているとは言えません。さらに敵の察知能力も高く、すぐに増援も呼ばれるので、銃を持って正面から乗り込むという選択は、攻略する上で上策とは言い難いでしょう。

そんな厄介な敵や局面を、ドローンは難なく打破してくれます。マーカス本人が危険を晒す必要がなく、それをハッカーの新しい戦い方と受け入れられるかが、本作を楽しめるかという点に大きく関わっていると感じました。ハッキングとドローンを駆使してスマートに敵を出し抜く爽快感は、まさに本作ならではの醍醐味です。

プレイして感じた『ウォッチドッグス2』の魅力と気になる点

実際にプレイしてみて感じた良かった点と、少し気になった点をまとめました。

良かった点

  • 美しいグラフィックで再現されたサンフランシスコの街並みと雰囲気:ゴールデンゲートブリッジやフィッシャーマンズワーフなど、観光名所が忠実に再現されており、街を散策するだけでも楽しめます。
  • 終始、明るい雰囲気で楽しくプレイできる:デッドセックの仲間たちとのやり取りや、ユーモアを交えたミッションは、常にプレイヤーを笑顔にしてくれます。
  • 様々な乗り物が用意され、それを操作しているだけで楽しい:車、バイク、ボート、さらにはユニークな乗り物まで、多種多様な乗り物が登場し、サンフランシスコの街を縦横無尽に駆け巡る楽しさがあります。
  • アクション要素が苦手でも大体はドローンが解決してくれる:ステルスやハッキングを駆使すれば、銃撃戦を避けてミッションを攻略できるため、幅広いプレイヤーが楽しめる設計になっています。
  • ゲーム内のアプリ機能が充実している:SNS、マップアプリ、音楽アプリなど、スマートフォンを模したアプリが充実しており、現実世界とリンクした没入感を味わえます。
  • 複数のオンライン要素が用意され手軽に遊べる:他のプレイヤーと協力したり、敵対したりと、オンライン要素も豊富で、遊びの幅が広がります。
  • 前作との繋がりをもっている:前作の出来事が語られたり、一部のキャラクターが登場したりと、シリーズファンにとっては嬉しいサプライズも用意されています。

気になった点

  • 主人公の背景がやや稀薄:マーカス自身の過去や深掘りされる部分が少なく、もう少し彼の内面に触れても良かったと感じました。
  • デッドセックの活動の一部が迷惑系YouTubeのものと変わらないものがある:正義のためとはいえ、度が過ぎるハッキング行為が、一般市民に迷惑をかける描写もあり、賛否が分かれるかもしれません。
  • ドローンの登場により前作に比べて銃撃戦における比重が格段に低い:前述の通り、銃撃戦を期待していたプレイヤーには物足りなさを感じる可能性があります。
  • 相変わらず警察の追跡が執拗:一度手配されると、警察の追跡が非常に厳しく、逃走が困難になる場面が多々ありました。

大転換の中に見る方向性と共通点

前作のヒットを受けての続編となれば、その成功を踏襲する傾向が強い中で、『ウォッチドッグス2』はそれに甘んじることなく、積極的なアプローチを行ったという印象を受けました。それがゲーム性にも大きく反映された形となり、前作の影を強く追う人ほど、違和感や抵抗を覚える人がいるかもしれません。

しかし、新たな主人公マーカスとデッドセックのメンバーたちの活動を追っていると、本作が**「ハッカー」というポジションに明確に焦点を当てている**ことが分かります。これは、前作のエイデンが復讐を果たす中での強みや手段としてハッキングが描かれていた点と比べても一目瞭然です。

強大なネットワークを持って街を支配する一大勢力に対抗するハッカー集団として描かれた本作には、独善的な部分も含みながらも、世直しを行う正義が掲げられています。ネットワークを介して繰り広げられる展開は、まさにハッカーでしか描けないものであり、それは今後の『ウォッチドッグス』シリーズの方向性を決定づけたものにも映りました。

心に傷を負いながら復讐を果たすために戦い抜いた孤高の男エイデン。仲間たちと一丸になり強大な勢力に挑んだ情熱の男マーカス。見た目も性格も全く違う二人ですが、どちらも優れたハッカーであり、悪を見過ごせないという点では共通しています。

前作をプレイしていなくても何の支障もなく遊べますが、世界観、時間軸などの繋がりはあるため、やはりシリーズ作品としてプレイした方が、より深く物語に入り込めることは間違いありません。ハッキングアクションの新たな可能性を提示した『ウォッチドッグス2』は、まさに飛躍的なハッカーの進化を楽しめる一本と言えるでしょう。

あなたはどちらのタイプのハッカーに魅力を感じますか?

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