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静かに主人公たちを迎えるタカヤ
ゆったりと腰掛けながらタカヤは活動部の面々を迎える。
臨戦態勢で待ち受けていたジンとは対照的な印象だ。活動部を前にしても、敵意をむき出すことはない。
それなら、通らせてもらうと真田が言うと、タカヤは静かに立ち上がり、語りだす。
滅びは最高の祝祭
タカヤは、滅びを心から待ち遠しそうに語り、最高の祝祭と表現。
そう語る背景には、ジンやチドリ同様に、幼いころに生き方や未来を奪われた過去が関係していた。
絶望の中で生きる事しかできなかったタカヤは、未来や希望は無形で、人が作り出す勝手な妄想だと言い切る。
そして、ニュクスを今こうして迎えようとしているのは、個人がきっかけとなり作り出したものでもなく、生きる事と死ぬこと、その意味を見出すことが出来なくなった、そうした人々の総意であると説く。
タカヤの言葉に反発を覚える仲間たち。そんな中でアイギスはタカヤの言葉に共感できるものもあると理解しながらも、だからこそ間違いだと気づき、生きることを選択したいという答えを語る。
活動部をこれまで率いてきた、美鶴もまた、この世界が滅びを迎えるかなど、誰か1人が簡単に出せる答えではなく、簡単に生きることを諦めることなどできないと言う。
滅びを祝祭と呼び、それを喜んで受け入れようとしているタカヤにとって、避けられぬ滅びを前にしても、生きようとする主人公たちは、何より目障りに映るようだ。
それは、生きる上での選択や希望を大人によって奪われたタカヤにとって、眩しく、直視できないもの。そして自分には与えられなかったもの。
自分の人生、存在意義を意味のないものとは認めさせない。
そんな風に思えてしまうタカヤの言葉と生き方。そんなタカヤの傍に唯一あったのものが、すべて終わらせる滅びだったような気がしてならない。
最期まで生きることを諦めない行動をタカヤは滑稽と言い、初めて怒りを露わにして、戦いを仕掛けてくる。
タカヤとの最期の戦い
最期まで相容れぬまま、敵として立ちはだかるタカヤ。
戦闘の最中でも、滅びを止めるために戦おうとする主人公たちを哀れむ様子が描かれる。
以前に戦った時とは段違いに強くなっているタカヤ。
ただ、即死系以外の耐性に関しては、厄介となる点はなく、与しやすいともいえる。
全体的にレベルが上がっているものの、こちらもレベルがカンストしているため、脅威となる攻撃はなかった。
追い込まれようと、元より滅ぶことを受け入れているタカヤにとって、この戦いの勝敗に、それほど価値は見出していない様子だ。
ともかく、タカヤを撃破することに成功。
敗れてなお
死ぬことにさえ恐れを見せないタカヤ。
だが、チドリの件もある順平さえ、タカヤの命を奪うことなど望んでおらず、ただ悔い改めることを望む。
そんな中で、アイギスはタカヤに死ぬことへの恐れを訊ねる。
タカヤは、機体であるアイギスがそうした質問をすることに意外を覚えながらも、死を知らないからこそ恐れを抱くのだと答える。
そのタカヤの答えに理解できないアイギスは、再び質問するが、タカヤはそれ以上答えず、十分に生きたと満足げな表情を浮かべるだけだった。
残すはニュクスのみ
結局、タカヤはそのまま気を失い、美鶴たちも無抵抗のものにこれ以上、何をするつもりもなく、そこですべてを見届けろと言ってその場を離れる。
そして、ついに約束の地である頂上を目の前にし、最終決戦への意思を固める。