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【アサシンクリードローグ クリア後の感想】運命に翻弄されたハンター

投稿日:2019年1月27日 更新日:

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3や4をプレイしている事が前提のキャスト陣

シリーズ初となる、テンプル騎士団からの視点で描かれる本作。

その時点でシリーズファンとしては、かなり引き込まれてしまう設定となっている。

しかも本作である主人公・シェイ・パトリック・コーマックは、ゲーム開始時点ではアサシン教団の一員。

この辺りから複雑な物語が想像できる。

本作を遊んでいて感じたことは、ゲームとして単体、この作品を初めて遊んでもかなり面白いとおススメできる。

一方で、作品を彩る登場人物たち顔ぶれを見ると、3、4をプレイしているプレイヤーなら、何度もニヤリとさせられる事がある。

特に上の画像、3で登場したアキレスが現役バリバリで教団を率いている姿などは、感慨深いものがあった。

そうした過去作で登場した人物たちの再登場、活躍の場が随所に散りばめられているのもローグの魅力と言える。

アサシンハンター誕生

とある任務をきっかけに、アサシン教団へ不審を抱く事になるシェイ。

意見の相違からアキレスとの衝突を生み、かつて共に過ごしてきたアサシン教団の仲間とも袂を分かつことになる。

その後、アサシン教団の追っ手から命からがら逃亡。紆余曲折を経てテンプル騎士団の一員となる。

それは、アサシン教団への決別だけを意味するのではなく、明確な敵対関係を作り出すことを意味していた。

かつての仲間たちを葬っていく展開

己の信条と、テンプル騎士団に忠実であることを貫くシェイは、物語が進む中で、幾度とアサシン教団の仲間たちと死闘を繰り広げ、闇に葬っていく。

その中には、前作で副官として活躍してくれたアドウェールも含まれ、シリーズを遊んできた身としては、かなり辛い任務であった。

本作は3、4に続くケンウェイサーガ最終章と言われるだけあり、今作でもケンウェイ一族が物語に深く関わっている。

後半、シェイと共に行動をするヘイザムもその一人。

3部作すべてに登場したのは彼ひとりであり、どれも実に印象深さを残す。

アキレスとヘイザム。

後に3の主人公であるコナーに続く因縁を生み出す場面などもあり、本作をクリアした後、過去作を楽しんでも、物語が繋がるつくりは名人芸とさえ言えるかもしれない。

ゲームは正統的進化

基本は4をベースにした作りとなっており、目新しい物は少なかったが、4でメインの一つとなった海戦は、さらにパワーアップした形となっており、かなり遊びこめる。

ほかにも前作から追加されたクラフト機能の充実化や、新たに追加された武器エアライフルなど、今作ならではの追加もあり、正統的な進化を遂げた印象。

アサシン教団から狙われる身という設定を活かし、アサシンを迎撃するというミッションは本作ならではといえる。

シリーズを遊んできた人ほど、最初は戸惑いを覚えてしまうミッションに感じるのではないだろうか。

アサシンハンターゲーム

今作を遊んでいて、唯一、気になった点がある。

それは、シェイがアサシンハンターとしての立場からか、かつての仲間たちとの対決なる場面で、必ず敵対者(ボス)が逃亡を図り、それを追いかけることになることだ。

シェイはハンターであると同時に、教団側からすれば裏切り者である。

実際、ゲーム中では、街中を普通に歩いていると、突然、教団の刺客に襲われる設計となっている。

お互い命を狙う関係でありながら、盛り上がりが求められるボス戦で、毎度、脱兎のごとく逃げる敵の背中を追うのは、なんだか肩透かしを覚えた。

アサシンハンターとしての描き方で必要だったのかもしれないが、その分、アサシン教団がちょっと情けなく描かれているのはファンとして胸が痛かった。

ローグをクリアして思う事

初めてテンプル騎士団視点で描かれる作品という事で、注目と期待を抱きプレイ。

そして無事にゲームクリアを迎え、そうした思いが裏切られることもなく、高い満足感も得られた。

ただ、徹底したテンプル騎士団の視点ではなく、元はアサシン教団の一員だったというバックボーンが、物語全体に重い雰囲気ともの悲しさを漂わせていたことも事実。

シェイが離反した理由は、物語で描かれてはいたが、決断に至るまでが、やや性急で、その後の展開を追うと、アキレスと分かり合う道もあったのではと思ってしまう。

そのため、ローグでのメインテーマが、仲間たちとの決別となり、せっかくのテンプル騎士団物語も、結果的にはアサシン教団内による内輪もめという見方を生んでしまった。

アサシンハンターという強烈な肩書は、やはり生粋のテンプル騎士団出身者であってほしかった。

そして、ふと、シェイ以上にその肩書に相応しいと浮かんでしまうのが、ヘイザムだ。

3、本作での活躍からも、彼を全編通しての主人公で見たかったという思いがある。

それほど、ヘイザムの存在感は偉大だったのだ。

『運は自分で掴むものだ』とは、シェイの口癖。

しかし、任務で起きた惨劇を目のあたりにし、家族のように過ごしてきた仲間たちに刃を向けなければならなくなった彼ほど、運命に翻弄された主人公はいないだろう。

そう考えると、シェイというアサシンも、また味わい深い登場人物であった。

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