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女神像の崩壊から悪しき気配が…
ラプソーンに意識を奪われてしまうマルチェロ。
どうやら、一度は失敗したが、ずっと機を狙っていたようだ。
そして、皮肉にもラプソーンの口から、マルチェロによる法皇殺しの真相が語られる。
ラプソーンの復活に共鳴するように女神像が崩壊。
そして、そこに封印されていたラプソーンの実体が解かれ始め、不気味な光を放つ。
それに共鳴するかのように、天変地異が起こり、一部を残しゴルドは崩壊。
海上より大陸ごと浮かび上がっていく。
光は、薄気味の悪い、赤と黒が入り混じったような色で、凄まじいスピードをもって、上空を覆っていく。
ラプソーンの復活に世界中が慄く
異変は、あっという間に世界を包み込む。
その異変に気づき、冷静に見極めようとする者。
事態の深刻さを知り、祈りを捧げる者の姿などが描かれ、世界が闇に侵食されている様子が、ひしひしと伝わってくる。
浮遊する大陸は、その後、速度を上げてどこかへ向かっていた。
主人公たちも、突然の天変地異を前には、何もできなかった。
ククールとマルチェロの思いが交差する
暗黒神ラプソーンの復活を阻止することはできず、事態は最悪の方向に舵が切られた。
その状況を作り出した張本人マルチェロは、すべてを失い自暴自棄となっていた。
そんな中で、マルチェロの手を取ったのは、幼き頃より憎しみをぶつけられてきた異母弟のククールだった。
マルチェロが、救いの手を振り払うも、ククールは、再びその腕をつかみ、思いの丈をぶつけ、生き続けることを訴える。
言葉こそ、ぶっきらぼうで、厳しいものだが、そこには間違いなく、たった一人の肉親を思う気持ちが込められていた。
大人の勝手な都合で、憎しみを抱かざるえなかったマルチェロと、幼きときに向けられた優しい姿を忘れられないククール。
どちらも、血のつながった者同士だからこそ、忘れることが出来ない感情や思いなのだろう。
最後に、マルチェロが聖騎士団の指輪をククールに渡した場面は、言葉にできない気持ちを託したようにも見えた。
憎しみを抱き続けてきた末に過ちを犯したマルチェロ。
その背中を静かに見送るククール。
今作、屈指の名場面の一つだった。