青春をたっぷり味わえる時間の流れ。1日1日が物語になる設計

前回、主人公が高校生として学校を舞台に日々を過ごす様子をお伝えしましたが、ゲームを進めるうちに、この作品の真の恐ろしさ(褒め言葉です)に気が付きました。それは、カレンダーが1日ずつ、着実に、そして濃密に進んでいくという設計です。
本作は朝から放課後、そして夜へと時間が流れる「行動パート」が非常に細かく作り込まれています。月曜日から土曜日までは学生としての本分を全うし、日曜日は貴重な休日。その限られた時間をどう使うかは、すべてプレイヤーである私に委ねられています。 「……ふむ。これは片手間に遊べるボリュームではないな」 タルタロスの探索を行いたいときは、夜に寮で仲間と合流した際に選択可能ですが、昼間の生活を疎かにはできません。シャドウとの戦いが終焉を迎えるその日まで、この濃密な日々が続くのかと思うと、おっさんはその膨大なプレイ時間に武者震いが止まりません。
日常生活の肝は「コミュ」。絆を深めてアルカナを宿す

日常パートにおいて、最も重要視されているのが「コミュニティ(コミュ)」の形成と深化です。 学校や街で出会う特定の人々と親睦を深めることで、それぞれが司る「アルカナ(属性)」のランクが成長していくシステムとなっています。
このアルカナランクは、主人公がベルベットルームで生み出すペルソナの成長に直結するため、ゲーム攻略においては避けては通れない肝と言えるでしょう。 「……おや。あのキャラと仲良くなりたいけれど、夜はタルタロスも行かなきゃいけない」 特定のコミュ対象を探し出し、彼らの悩みや事情に寄り添いながら親交を深めていく作業は、やってみると意外に大変。放課後の時間は有限であり、夜の活動も無視できない。まさに目が回りそうなほどタイトなスケジュールですが、コミュニケーションを通じて登場人物の意外な素顔を知るたびに、ついつい次の展開が気になってしまう自分もいます。

自分磨きも欠かせない。育成シミュレーションとしての奥深さ



コミュの対象は同じ学生だけではありません。街に住む意外な人物が重要な絆の相手だったりするので、同年代だけの付き合いに固執していると、大切な出会いを見逃してしまいます。
さらに本作の面白い(そして厳しい)点は、自身のステータスがコミュの条件に関わっている点です。学力や魅力、勇気といった項目が一定レベルに達していないと、声をかけることさえ許されない高嶺の花も存在します。 「……まずは図書館で勉強して、学力を上げなければ会話すらできないのか」 人との交流だけでなく、自分自身の内面も磨き上げなければならない。これはRPGでありながら、極めて質の高い育成シミュレーションゲームを遊んでいるような感覚です。
ワンモアプレスシステム。一瞬の油断が死を招くスリリングな戦い




戦闘面に目を向けると、本作独自の「ワンモアプレスシステム」がバトルを非常にスリリングなものにしています。 敵の弱点属性を突くか、クリティカルを出すことで敵をダウンさせ、もう一度自分のターンを得られる追撃システム。これをうまく活用すれば、相手に何もさせずに圧倒することが可能です。
しかし、このシステムは敵であるシャドウ側にも平等に適用されます。 「!!……こちらの弱点を突かれた瞬間、一気に壊滅寸前まで持っていかれたぞ」 味方がダウンをとられると、敵の追撃が止まらなくなる恐怖。通常戦闘であっても常に気が抜けないスピード感とスリルが、タルタロス探索の緊張感を高めています。 さらに、敵全員をダウンさせた際に発動できる「総攻撃(ボコスカプレス)」は、コミカルな演出ながらも圧倒的なダメージを叩き出せるため、積極的に狙っていきたい爽快な要素です。
疲労度の落とし穴。おっさんのレベリングを阻むジレンマ


タルタロスを調査していて最も驚いたのが「疲労度」の存在でした。 戦闘を繰り返すと主人公や仲間に疲労が蓄積し、一定を超えると「疲労状態」になってしまいます。こうなると戦闘パフォーマンスが著しく低下し、最悪の場合はパーティ崩壊の引き金になりかねません。
しかも、この疲労は翌日にも持ち越されるため、無理な連戦は禁物。 「……序盤から一気にレベルを上げたい私にとっては、なかなかのジレンマだな」 じっくりと時間をかけてレベル上げに勤しみたい職人気質のおっさんにとって、この制約は少々もどかしくもあります。しかし、この「無理はできない」というルールが、1日の行動をより慎重に選ばせ、ゲーム体験に独特のリアリティを与えているのも事実。今のところはこのシステムに振り回されつつも、全体的には非常に楽しめているので、うまく体調管理をしながら攻略を進めていこうと思います。
忙しくも愛おしい「影時間の戦い」
ペルソナ3(PS2版・プレイリポート2)
総評としては、1日の重みを感じさせるカレンダーシステムと、弱点を突く快感が癖になるバトルが見事に調和した、止め時が見つからない傑作でした。
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限られた時間の中で「誰と過ごし、自分をどう磨くか」を考える戦略性を楽しみたい方
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一手のミスが命取りになる、緊張感あふれるコマンドバトルに挑戦したい方
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学生生活の輝きと、深夜の迷宮探索という二面性にどっぷりと浸かりたい方
こうした方々には、自信を持って「このカレンダーをめくる指が止まらなくなるぞ」とお勧めします。 これほどまでに「忙しさ」を心地よく感じさせてくれる作品は、そう簡単に出会えるものではありません。おっさんは、第3回のリポートに向けて、疲労を溜めない程度に自分を磨き、タルタロスのさらなる深層を目指すことを心に誓いました。皆さんも、ペルソナ3が贈るこの「1日の重み」を、ぜひ一度その身で体験してみてくださいね。