月夜の不在と胸騒ぎ。満月の夜、アイギスが向かった因縁の場所

大型シャドウを全て討伐し、平穏が訪れるはずだった満月の夜。しかし、寮内にアイギスの姿はありませんでした。授業終了と同時に教室を飛び出したという彼女の動向に、風花や順平も不安を隠せません。 影時間とタルタロスが依然として消えないこの不気味な夜、おっさんの胸には言いようのない予感が渦巻いていました。
「!!……アイギスが一人でムーンライトブリッジに。あそこは10年前にすべてが始まった場所じゃないか」 そこには、彼女を待っていたかのように望月綾時が佇んでいました。日常を装う綾時に対し、アイギスはここが普通の人間には踏み入れぬ「影時間」であることを突きつけます。不気味な空間に心地よさを覚えるという綾時の言葉をきっかけに、二人の間に流れる空気は一変しました。
呼び覚まされた宿命。綾時の正体は「13番目の属性・デス」




「……ようやく、すべてを思い出しました」 アイギスのその一言が、止まっていた運命の時計を動かします。戸惑う綾時を前に、彼女は自らを「対シャドウ非常制圧兵装ラストナンバー」と名乗り、綾時の真の名を告げました。その名は「デス」。10年前に彼女自身が死闘の末に封印した、13番目の属性を持つシャドウだったのです。
「……ほう。あの人懐っこい転校生が、滅びを呼ぶ『死』そのものだったとはな」 記憶を取り戻したアイギスは、瞬時に戦闘モードへと移行します。一方の綾時も、アイギスとの接触によって、断片的ながらも自らの忌まわしき出自を思い出していきます。10年前の事故により不完全な形で誕生し、世界に脅威を与えた怪物。アイギスの力をもってしても排除しきれなかった、あまりにも強大な存在の記憶を。
捨て身の封印と「器」。主人公の体内に隠された10年間の秘密



ここで語られた真相は、あまりにも残酷なものでした。 10年前、デスを完全に消し去ることができなかったアイギスが下した苦渋の決断。それは、近くにいた「一人の少年」を依代として、デスを封印すること。 その少年こそが、幼き日の主人公だったのです。
「!!……なんということだ。主人公は10年間、自分の中に『死』を飼い慣らしていたのか」 綾時が主人公に惹かれ、無意識に12体のシャドウへと誘ったのも、すべては主人公の中に眠る自らの破片を集め、完全体へと戻るための本能だった。語られていく真相と主人公の過去が重なり、おっさんは言葉を失いました。これまでの戦いのすべてが、デスの復活を助けるための儀式だったという事実は、あまりにも重すぎます。
圧倒的な力の差。記憶を取り戻した「死」の宣告



アイギスは使命感を奮い立たせ、全力で綾時に挑みます。しかし、記憶と共にデスとしての力を取り戻した綾時を前に、彼女の攻撃は無力でした。 「……素晴らしい。いや、恐ろしいと言うべきか。本気で向かってくるアイギスを、綾時は哀れみさえ湛えた瞳で受け流しているな」
綾時の言葉には、もはや以前のような軽薄さはなく、避けることのできない「終焉」を告げる者の重みが宿っていました。かつて自分を封印した機械の乙女に対し、彼はただ静かに、その絶望的な実力差を見せつけるのでした。
機械が最後に漏らした「人の心」。敗北の淵で叫んだ「怖いよ」

デスの絶大な力の前に、すべての機能を使い果たしたアイギスはついに膝を突きます。 決められた使命を果たせなかった自分。機械としての存在意義を否定し、静かに停止の時を待つ彼女。しかし、その機能が途絶える寸前、彼女の脳裏に浮かんだのは、かつて自分が守り、そして呪いを背負わせてしまった幼き主人公の姿でした。
「……怖いよ」 その一言は、プログラムされた命令でも、兵器としてのエラー報告でもありませんでした。 「!!……アイギス。君はもう、決められたことしかできない機械じゃない。死を恐れ、誰かを想う『心』を持った一人の女の子なんだな」 完全なる敗北の中で産声を上げた、あまりにも人間らしい「人の感情」。おっさんは、彼女の悲痛な独白に涙しつつ、ついに解き放たれてしまった「デス」という存在がもたらすであろう、さらなる絶望の予感に震えるのでした。
「死」との決着、そして運命の12月31日へ
ペルソナ3(PS2版・プレイリポート39)
総評としては、転校生・望月綾時の正体という最大のミステリーが解明されると同時に、主人公の過去に隠された重すぎる十字架が暴かれる、物語の前提を根底から覆す衝撃のエピソードでした。
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望月綾時が「デス」へと覚醒し、アイギスとの10年前の因縁に決着をつけるシーンに戦慄したい方
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主人公の体内に10年間封印されていた「死」の正体と、これまでの戦いの意味を知りたい方
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機械であるアイギスが、死の恐怖を通じて「心」を手に入れる瞬間のドラマに涙したい方
こうした方々には、自信を持って「運命は残酷だ。だが、その残酷な真実こそが君を次のステージへと導くぞ」とお勧めします。 完全体となった綾時が、活動部に突きつける「究極の選択」とは。おっさんは、アイギスのあの悲しげな瞳を思い出しつつ、第40回のリポートに向けて、ついに訪れる「滅びの日」へのカウントダウンを見届けることを心に誓いました。皆さんも、ペルソナ3が贈るこの「終焉の幕開け」を、ぜひ一度その身で体験してみてくださいね。