1988年からの刺客。レンジポテトの生ける伝説との遭遇

スーパーの冷凍食品コーナーをパトロール中、私の「レトロ・アンテナ」が、どこか懐かしく、それでいて機能美を感じさせるパッケージを捉えました。今回手中に収めたのは、大塚食品のロングセラー「マイクロマジック フライドポテト」です。
「ほう。マイクロマジックか。大塚食品さん、私のスナックタイムを、一気に1980年代後半のバブルの喧騒の中で、最新のレンジ調理に目を輝かせながらポテトを待っているような、フューチャーでエネルギッシュなひとときに変えてくれるつもりだな」
発売から30年以上。レンジで加熱するだけでフライドポテトが楽しめるという、まさに「魔法(マジック)」のようなコンセプト。100円を切る価格でその魔法が買えるのなら、これほど有り難いことはありません。期待と、そして「長年愛され続けるその秘訣はどこにあるのか?」という探究心を胸に、その一箱をレジへと運びました。

食べたい時、電子レンジに箱ごとポン!マイクロマジック・フライドポテトは電子レンジで加熱するだけで、おいしいフライドポテトがいつでも手軽にお楽しみいただけます。


箱ごとポン! 魔法の儀式と、いざ開封




帰宅し、さっそく「魔法の儀」を執り行います。本品の最大の特徴は、何と言っても「箱のままレンジに入れられる」という圧倒的な利便性。
「素晴らしい。蓋を開けた状態でレンジへ。加熱後は蓋を閉めてシャカシャカと振る。この一連の動作が、食べる前の期待感を否応なしに高めてくれるじゃないか」
指示通りに加熱を終え、2分間じっくりと蒸らしながらシェイク。本来なら箱のままワイルドにいくのが作法でしょうが、今回は中身の「真実」を捉えるべく、あえてお皿へと移させてもらいました。
「おぉ……なるほど。これが魔法のポテトか。ギザギザと波打つクリンカットの造形。さあ、鑑賞はここまでだ。いよいよ、大塚食品が導き出した『時短スナックの原点』を実飲(実食)しようじゃないか」
「無機質な旋律」と失われたポテトの輝き


期待を込めて、まずはそのまま一本。 その瞬間、私の口の中で「予想外のビッグバン」が幕を開けました!
「……あれ? 魔法は……解けてしまったのか?」
まず感覚を驚かせたのは、その「言いようのない食感」です。
「ほう。なるほど。ふっくらとしたホクホク感があるわけでもなく、かといって揚げたてのカリッと感があるわけでもない。どこか妙に硬さが残り、それでいて芯に野暮ったさを感じる……。おっさんの正直な本音を言わせてもらえば、これは『フライドポテト』という言葉から連想する多幸感とは、少し距離があるぞ」
味わいについても、驚くほどストレートでした。
「素晴らしい……というか、潔すぎるな。塩気も風味も極めて薄い。素材の味を活かしていると言えば聞こえは良いが、近所の激安スーパーで売られている安価なポテトの方が、遥かにエネルギッシュな旨味を放っているじゃないか!」
令和に問う「レジェンドの価値」おっさんが感じた時代の壁
あまりの期待外れ感に、完食が危ぶまれる事態。しかし私は、かつてここで紹介した「ハニーマスタード」という最強の武器を投入することで、なんとか完食まで漕ぎ着けることができました。
「ふむ。なるほど。この商品は、冷凍食品がまだ発展途上だったあの時代、レンジだけでポテトが食べられるという『便利さ』そのものが最大の付加価値だったんだろうな。しかし、美味しい冷凍ポテトが溢れるこの令和の時代において、その魔法は少々色褪せてしまったと言わざるを得ない」
おっさんの個人的な感想としては、30年以上変わらぬスタイルを守り続ける姿勢には敬意を表したい。しかし、味と食感のクオリティに関しては、あまりにも「古びた価値観」をありがたがる程度にしか感じられなかったのが本音です。
完食の先に。おっさんが感じた「進化への願い」
気が付けば最後の数本、マスタードの力で無理やり押し込みながら完食。
「素晴らしい。おっさんの個人的な感想としては、これは私の貴重な間食タイムを豊かにしてくれる傑作ではなく、二度と手に取ることのない『切ないノスタルジー』だったと確信したぞ」
お腹は満たされましたが、心は、かつての魔法使いが現代の美食家たちの舌をどう納得させるのか……そのあまりに厳しい現実を払った気分で満たされていました。
一度齧れば目を覚ます「現実の洗礼」
今回の実食を経て痛感したのは、大塚食品「マイクロマジック」が放つ、一切の妥協を(伝統に対して)排した「現状維持への情熱」でした。
「ふむ。クリンカットの誇り、箱ごと調理の輝き、そして硬さと無味の旋律。この一体感、一度体験すれば、あなたもこの『魔法という名の現実』から、そっと目を逸らしたくなることは間違いないだろう」
おっさんの個人的な感想としては、特に「ポテトには並々ならぬこだわりがある! 最新の冷凍技術が詰まったホクホクのポテトで、明日への活力を得たい!」と感じている情熱的なあなたにこそ、このリライトされた本音の忠告を届けたい。日常の数分間を、一瞬にして「昭和の終わりの記憶」が躍るシュールなひとときに変えてしまいます。
大塚食品のマイクロマジック、この「30年以上変わらぬパッケージ」に隠された、あまりにも止まったままの時計の針。あなたもぜひ、その顎で、そしてその「魔法を信じられなくなった舌先」で確かめてみてください。一口食べれば、明日への活力が……湧いてくるどころか、最新の冷凍ポテトの凄さを再確認したくなるような、そんな最高の(?)出会いがあなたを待っていますよ。次はせめて、自分で油で揚げた、おっさんの心を裏切らない「本物のポテト」に出会えることを願って止まりません。