8bitテイストの懐かしいグラフィックで紡がれる王道ストーリーに、やりごたえのある隠しダンジョンやサブクエストも用意。
多くのゲームミュージックを生み出した、あの「笹井隆司」氏がサウンドを手掛けます。3チーム、最大12人のパーティを自由に切り替えて強敵と戦いましょう!
種族やジョブによって異なる特性を使い分け、多様で戦略性の高いバトルを楽しめます。仲間を増やすことで増えていくジョブは全部で16種類+α。
ジョブごとに異なる固有スキルも多数!
転職するとグラフィックも変わるので、緻密なドット絵の魅力を存分に味わえます。・著作権等:
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ファミコン世代にはたまらない、あの頃の“ワクワク”が蘇る
『ドラゴンシンカー』をプレイしてまず感じたのは、懐かしさと安心感。ドット絵のグラフィック、シンプルながら味わい深いBGM──それらが織りなす世界は、まさにファミコン黄金期を思い出させてくれるものでした。
私自身、まさにファミコン直撃世代ということもあり、ゲーム開始直後から自然と心がほぐれていくような心地よさを覚えました。
シンプルでストレスフリー、だけどちゃんと“冒険している”感覚がある
最近のRPGは、グラフィックや演出が豪華になった分、ややもすると情報量や演出の多さで疲れてしまうこともあります。しかし『ドラゴンシンカー』は、いい意味でシンプル。
プレイ中に無駄なストレスを感じることなく、最後まで気持ちよく遊び切ることができました。
ストーリーも、かつてのRPGが持っていた“王道”をしっかりと踏襲。善と悪、仲間との絆、冒険の果てに待つ真実──子供の頃に夢中で読み進めた冒険ファンタジーを彷彿とさせる展開に、思わず胸が熱くなりました。
無口な主人公と、個性豊かな仲間たちが織りなすドラマ
主人公はあえて喋らない仕様となっており、プレイヤーが感情移入しやすい作りになっています。代わりに、共に旅する仲間たちが物語を大いに盛り上げてくれました。
それぞれのキャラがしっかりとした個性を持っており、セリフ回しや行動から自然と情が湧いてくるのも魅力のひとつです。
また、限られたドット絵で表現されるキャラクターの喜怒哀楽が非常に丁寧で、時折見せる細かな動きに「おっ」と唸らされることも。巨大モンスターになると多少ドットの粗が目立つものの、それもまた“味”として楽しめました。
使い回し感やBGMの少なさは惜しい…が!
惜しい点を挙げるなら、敵モンスターの使い回しが多く、BGMのバリエーションも少なめだったことでしょう。もう少しバリエーションがあると、より没入感が増したはず。
とはいえ、それらを補って余りある“遊びやすさ”が本作にはあります。
見た目はレトロ、中身は洗練。気配りが詰まった設計に感動!
一見するとレトロ調な本作ですが、その中身は実に洗練されています。プレイヤーのストレスを極力排除し、快適なゲーム体験を提供してくれるよう随所に工夫が凝らされていました。
特筆すべきは、12人のキャラを使った“3チーム編成”によるパーティシステム。4人ずつの3チームを状況に応じて切り替えながら戦うスタイルは、戦略性と自由度が両立しており、プレイヤーごとのこだわりプレイが楽しめる設計になっています。
また、難易度設定をプレイ中に自由に変更できる仕様も秀逸。戦闘後のHP全回復や、経験値アップなどのボーナスが受けられるなど、プレイの幅を広げてくれます。
快適すぎる戦闘周りの機能に驚き!
戦闘では演出をスキップできたり、レベル差がある場合は戦闘自体をショートカット可能だったりと、現代的なテンポの良さを重視した仕様が満載。
さらに、敵とのエンカウント率を自分で調整できるなど、まさに「かゆいところに手が届く」配慮が行き届いており、非常に快適な冒険を楽しめました。
やりこみ派にも嬉しい“ガチャ”と“福引”要素
スマホ版由来と思われるガチャ要素も、意外と侮れません。戦闘を3回行うたびに得られる“ドラゴンポイント”を使って、福引を回すことができるのですが──これがまたクセになる!
ポイントは敵の強さに関係なく貯まるため、気軽に遊んでいても報酬が得られる仕組みになっているのが嬉しいところ(ただし戦闘スキップ時はカウント対象外)。
福引からは、育成用アイテムからレア武器、隠しキャラまで幅広く排出されるため、やりこみ欲をくすぐられること請け合いです。
おっさんゲーマーも大満足!親切設計に感謝
総じて、『ドラゴンシンカー』は、レトロ風の見た目に隠れた“今どきの快適設計”が光るRPGでした。
余計なものを削ぎ落としつつも、やりこみや工夫の余地がきちんと残されており、ライトユーザーからコアゲーマーまで広く楽しめる良作です。
特に、「最近のゲームは疲れる…でもRPGは遊びたい!」という、かつての冒険者たち──つまり中堅・ベテラン世代のゲーマーにこそ刺さる内容になっていると感じました。
締めくくりに──あの頃のワクワクを、もう一度
ドット絵、シンプルなUI、懐かしさあふれるBGM──でも中身は今の時代に合わせて丁寧に作り込まれた一本。
『ドラゴンシンカー』は、“懐かしさ”を入口に、“遊びやすさ”と“やりこみ”という楽しさをしっかりと提供してくれる、まさに“レトロの皮をかぶった憎いヤツ”でした!