「ファークライ3 クラシックエディション」で、ルークアイランドに隠された恐ろしい真実を暴き、シリーズ屈指の敵バース・モンテネグロに立ち向かえ!
現行プラットフォーム用にアップデートされたビジュアルとゲームプレイは、往年のファンから新規プレイヤーまで、あらゆる方に圧倒的ディテールで表現された「ファークライ3」のシングルプレイキャンペーンをお届けします。
絶望的状況下で善悪の概念が揺さぶられる、ディープで濃厚なストーリー。豊富な武器や爆薬を駆使し、山、沼地、白い砂が広がるビーチと様々な表情を見せる美しい島で冒険を繰り広げよう!
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2度目のファークライ3もやはり熱かった
実は、ファークライ3は2度目のプレイとなる。初めてプレイしたのはPS3版で、それが私にとってファークライシリーズとの初コンタクトでもあった。また、オープンワールドのゲーム自体も初めてで、その広大さと自由度の高さには感動もした。
そして、ファークライシリーズの根幹にある、人の生み出す狂気にも触れるにあたり、主人公のジョンソンを通して作品へのめり込んでいったことは今も忘れない。
今回、そんな狂気の源に立ち向かう面白さを教えてくれたファークライ3を再びPS4で遊んでみて、改めてそのクレイジーな世界観と、ここでしか味わえない解放感を与えてくれる本作は、やはり名作であると確信した。
ずいぶんと前に発売された作品にも関わらず、改めてプレイしても埃をかぶったような印象は一切なく、一度体験したはずの狂気はより美しくなったグラフィックで歓迎してくれ、存分に楽しむことができた。
また、当時は何度とトライした場面を一度で撃破できたのは嬉しかった。とても大袈裟に思われるかもしれないが、自分の中でファークライ3をプレイした経験が今も生きていると実感できたのだ。
…ただ、ラストミッションの脱出劇では当時と変わらず何度もトライする羽目になったのはここだけの話である。
子供のころに比べて、一度クリアしたゲームを再び遊ぶことは少なく、こうした体験が味わえたのも久しい。それもファークライ3という作品が今も色褪せない魅力を持つ証明と言えるかもしれない。
孤独なゲリラ戦の醍醐味とそれを助けてくれるアイテム
当時、初めて触れたFPSによるオープンワールドゲームで、それにも関わらずクリアできたことから、決して難易度は高くない(と言ってもノーマルレベルだが)
特にファークライ3では、シリンジという薬品をドーピングすることで、一時的に主人公を強化することができる。中に時間限定ながら無敵になれるものや、どんな敵でも一撃で倒すことができるという、まさに超人にもなれるものもあるので、それを駆使することで大幅にゲームを有利に進めることができるようになっている。
そして、ファークライシリーズの醍醐味と言えばレジスタンス活動の中で行う敵地攻略。
敵に気取られることなく背後から近接武器でテイクダウンを狙う上級者向けの遊びも出来れば、遠方からスナイパーライフルで一人、一人を狙撃していくゴルゴ13よろしくなプレイも可能。
さらに、ストレス解消目的なら、もてる総力を挙げて正面からヒャッハー突入も可能。
とにかく、自分に合ったアプローチ方法を探り、それを実践することができる基地攻略はその後のシリーズでも人気のコンテンツとなり、その雛形となった本作もやり応え十分な完成度となっている。
プレイしてよかった点と気になった点
・経験値によるスキル獲得や動物の素材を集めることで装備品を拡張できたり、植物を合成することで出来るシリンジで一時的に能力強化を図れるなど、RPG的な成長要素が用意されている
・ゲーム序盤よりワールドマップを自由に行動ができることで、自分なりの攻略を楽しむことができる。
・いつでもゲーム難易度を変えることができる
・数は多くないが登場する動物の動きがリアルに描かれている
・突然のタイミングで入るQTEがいまいちゲームに馴染めていない印象が強かった
・この後のシリーズにも続くことになる拉致シーンが地味にストレス
・敵の射撃能力が精密さを極めている
狂気の島を舞台に最高のキャストが魅せてくれる
主人公となるジェイソンは、決して特別な人間ではなくどこにでもいる一般人。
そんな彼が意図せずに踏み込んでしまった、狂気に支配された島・ルークアイランド。島の支配者バースにより、ともに迷い込んでしまった兄弟や仲間たちが傷つけられ、ときに奪われていく。
ファークライ3の物語は、その後に続くシリーズ伝統ともいえるが、冒頭から恐怖と狂気がノンストップで襲い掛かってくる。そんな状況に対してジェイソンはあまりに無力で、ただ逃げ惑うことしかできない。
その後、現地で出会った男によって九死に一生を得る。男の導きに従いながら仲間と兄弟を奪還すべく、狂気の支配者であるバースへ戦いを挑むことを決意。
最初は、戦うことに抵抗を示したり経験値の不足などから、どうにも頼りないと感じてしまうこともある。そんなジェイソンが戦いを経ていくうち、ついに島の支配者であるバースさえ脅威に感じるほど、戦士としての成長を遂げる。
しかし、そんなジェイソンの戦士としての覚醒は自身の中に新たな狂気を孕んでもいた。
操作するジェイソンは、島の住人や原住民などの数少ない協力者を得て戦いに挑むことになるが、基本は単独行動で、広大な島をゲリラ的に戦っていく。
たった一人で、圧倒的な戦力に向かっていき、支配地域を解放していく。それが本作をプレイする上でのカタルシスにも繋がっており、これこそがファークライシリーズの真骨頂ともいえる。
島の支配者であるハークは、歴代のボスの中でも憎らしさはナンバーワンと言っても過言ではなく、物語を盛り上げてくれる最高のキャストでもある。
そして、普通の人であるからこそ、万人が感情移入しやすいともいえるジェイソンも、成長のなかで次第に垣間見せる狂気が、プレイヤーをファークライの世界へ誘ってくれる素晴らしい主人公と言える。
ファークライシリーズは、それぞれが独立した世界なので、どのナンバリング作品を遊んだ後でも新鮮な気持ちでプレイできる。後のシリーズにある仲間システムや航空機などもない分、最も過酷なゲリラ戦を楽しむことができるのも本作の魅力だ。