気になるニュースや趣味、アイテムなどを中心に発信中

今日もよろしく

『DAYS GONE』クリアレビュー|一本の映画を“生きる”ようなゾンビゲーム

投稿日:2020年8月6日 更新日:

「ゾンビゲーム」と聞いて、あなたはどんな作品を思い浮かべるだろうか。
数多あるゾンビ系タイトルの中でも、これほどまでに人間ドラマが深く描かれた作品は他にそうそうない。
その名は──『Days Gone(デイズゴーン)』。
プレイし終えた今、まるで一本の壮大な映画を観終えたような余韻が胸に広がっている。

心を揺さぶる“人間ドラマ”としてのデイズゴーン

本作の主人公、ディーコン・セントジョンは元バイカーギャングという荒々しい過去を持つ男。
その言動からは時折、粗野で危なげな雰囲気も漂うが、物語が進むにつれてその人物像は大きく変化していく。

パンデミックによってゾンビのような存在「フリーカー」が世界中に蔓延し、秩序が崩壊したアメリカ・オレゴン州。
ディーコンは、混乱の中で行方不明となった最愛の妻・サラを今も思い続け、心に深い傷と後悔を抱えながらも、希望を捨てずに生き続けている。

彼の一途な想いと葛藤が、次第にプレイヤーの心にも染み渡り、気づけば荒くれ者の印象だったディーコンに強く感情移入している自分がいる。
さらに、いつも彼の傍にいて支えてくれる相棒・ブーザーの存在が、また物語に厚みを持たせてくれる。
彼らの間に交わされる何気ない言葉や行動の一つひとつが、かけがえのない“友情”として描かれており、それがまたプレイヤーの心を温かく揺さぶる。

サバイバルの中で浮き彫りになる“人間模様”

ディーコンたちを取り巻く生存者たちもまた、深く掘り下げられたキャラクターたちばかり。
それぞれがパンデミック以降の絶望的な状況の中で、何を信じ、何を守り、どう生き抜くか──
この問いに対して3つの生存者キャンプが、それぞれ異なる思想とやり方で答えを出している。

力で支配する者、信仰で秩序を作ろうとする者、理想を追い続ける者……
どの陣営も一筋縄ではいかない人間模様が展開され、時に胸が締めつけられ、時に怒りや疑問を抱かされる。
単なる“ゾンビ退治”にとどまらない、濃密でドラマティックな物語展開が、プレイヤーを強く惹きつけて離さない。

ゾンビと人間、両方の“恐怖”と対峙するサバイバル体験

『デイズゴーン』の魅力は、ストーリーだけではない。
ゲームとしての完成度も非常に高く、むしろこのジャンルの頂点に近いとさえ感じる。

舞台となるオレゴン州の自然は驚くほどリアルに描かれており、どこまでも続く森林、雪の積もる山岳地帯、かつての街並み──
それらがパンデミック後の崩壊した世界と融合し、唯一無二の世界観を形成している。
ただバイクに乗って走るだけでも癒しと緊張が同居する時間が過ごせるほどだ。

また、本作でのフリーカーは単なるゾンビではない。
特に「群れ(ホード)」として襲いかかってくる彼らの存在は、圧倒的な数とスピード、予測不能な動きでプレイヤーにかつてない緊迫感を与える。
一対一ならともかく、数十体、時に百体を超えるフリーカーに追いかけられる恐怖は、もはやホラー映画を超えるリアルなパニック体験だ。

バイクと共に生きる──移動手段以上の“相棒”としての存在

このゲームにおけるバイクは、単なる移動手段ではなく、プレイヤーの“命綱”であり“相棒”でもある。
燃料が切れれば徒歩で数キロをさまよわねばならず、敵の脅威に晒されるリスクも跳ね上がる。
そのため、無人のガソリンスタンドを見つけた時の安堵感や、燃料タンクを探索して手に入れたときの喜びも、本作のサバイバル感をよりリアルにしている。

また、バイクは強化・カスタマイズも可能。
スピードや耐久性、騒音レベルなどを調整することで、自分だけの“生存用マシン”に仕上げることができる。

バイク好きにもたまらない仕様だ。

デイズゴーンに向いている人・向いていない人

では、このゲームを誰もが楽しめるのか? と言えば、実はそうでもない。
以下に適性をまとめてみた。

  • 緊迫したサバイバル体験をリアルに楽しめる人

  • 序盤の装備の乏しさや不自由さを成長と捉えられる人

  • 重厚なストーリーに浸るのが好きな人

  • バイクや旅の雰囲気が好きな人

逆に、

  • すぐに無双したい人

  • 地道な探索やクラフトが面倒な人

  • ストーリーに興味がない人

こうしたプレイヤーには、ややハードルが高く感じられるかもしれない。

成長の実感が最高のご褒美となる

しかし、序盤の不自由さを乗り越え、スキルや装備を手に入れ、ディーコンがどんどん逞しくなっていく過程は、まさにRPG的な醍醐味が詰まっている。
最初は恐怖の象徴だったフリーカーが、やがて討伐対象へと変わっていく感覚は、プレイヤー自身の成長ともシンクロする。

最愛の人への想い、親友との絆、人々の狂気と希望、そして崩壊した世界での再生──
『デイズゴーン』は、ゲームという枠を超えて、一本の魂のこもった“映画作品”を観終えたような深い感動を与えてくれる。

『デイズゴーン』クリア後レビュー【ゾンビも人間も、極限の世界で生き抜くサバイバル体験】

ゾンビ系ゲームは数あれど、『デイズゴーン(Days Gone)』はその中でも一線を画す作品だ。
プレイ前の期待を大きく上回るストーリー性と、サバイバルの緊張感、そして圧倒的な没入感。
クリア後にはただ一言、「これはただのゾンビゲームではない」と強く実感した。

ここでは、実際にクリアまでプレイしたからこそ語れる、本作の魅力と気になる点を率直に綴っていきたい。

■ 単なるゾンビ退治じゃない!狂気と希望が入り混じる“人間模様”が圧巻

本作の大きな魅力の一つは、ゾンビ(フリーカー)以上に“人間”が深く描かれている点。
パンデミック後の極限状況下で、倫理も秩序も崩れた世界。
そこでなお人を想い、信じ、裏切り、抗う──そんな生存者たちの生き様が、とてもリアルで胸に刺さる。

どの人物も善悪の二元論では語れない、複雑で説得力のある内面を持っており、ドラマとしての完成度が非常に高い。

■ バイク旅が気持ちいい!オープンワールドを自由に駆ける爽快感

広大なオレゴン州を舞台にしたオープンワールドでは、主人公ディーコンの愛車とも言えるバイクが大活躍。
美しくも荒廃した自然を駆け抜ける体験は、危険と隣り合わせでありながらどこか開放的でもある。
ただ移動するだけでも癒される瞬間があるのが、このゲームの奥深さ。

■ 成長がしっかり実感できるスキルツリー

プレイヤーの成長を実感できるスキルラインの設計も秀逸。
探索・戦闘・サバイバルなど、選択肢が多岐にわたり、どの方向に育てていくかでディーコンのプレイスタイルが大きく変化する。
スキル取得のたびにプレイの幅が広がり、単調になりがちなサバイバル生活に常に新しい刺激を与えてくれる。

■ フリーカーの“大群”との戦闘が異次元の迫力

デイズゴーン最大の見せ場とも言えるのが、数十体から時には百体を超えるフリーカーの大群(ホード)との戦闘。
四方八方から押し寄せるフリーカーの群れに追われる恐怖と、それをギリギリの戦略と逃走で切り抜けるスリルは、他のゲームでは味わえない圧巻の体験だ。

■ 2週目の要素が充実!引き継ぎプレイで爽快感倍増

クリア後は多くの要素を引き継いだ状態で2週目に突入できる。
序盤で恐怖の象徴だったフリーカーの大群を、今度はプレイヤーが一掃する快感へと変えてくれるのがたまらない。
苦戦したあの場所を、余裕の装備で再攻略するのはプレイヤー成長の実感にも繋がる。

■ 伏線回収が見事!モヤモヤしない構成力

散りばめられた伏線や謎が、終盤にかけてしっかりと回収される構成力も素晴らしい。
多くのゲームでありがちな“途中で風呂敷を広げるだけ広げて放置”といったモヤモヤがなく、クリア後に「ああ、これは良い物語だった」と心から思える。

■ 無料アップデートのボリュームが豊富

発売後も無料アップデートによって、多彩なコンテンツやチャレンジモードが追加されており、長く遊べる工夫が施されている。
「一度クリアしたら終わり」ではなく、プレイヤーに再挑戦を促すような仕掛けが多く、コスパの良さも魅力の一つ。

■ ブーザーが最高にいいヤツ

忘れてはいけないのが、ディーコンの相棒であるブーザーの存在。
彼の存在なくしてデイズゴーンは語れない。
不器用で口数も多くはないが、心の底からディーコンを支える姿には、何度も涙腺を刺激された。
ゲーム史に残る“相棒キャラ”として心に残る存在だ。

気になった点:改善の余地も感じた部分

■ アイテム選択ホイールの操作性に難あり

銃や回復アイテムなどを選ぶラジアルホイールの操作がややクセがあり、特に戦闘中に素早く切り替えたい場面で誤操作が起きがちだった。
慣れれば問題ないが、最初はストレスを感じるプレイヤーもいるかもしれない。

■ マシンガンの万能性が高すぎる

後半に入手できるマシンガン系の武器が、ほぼすべての敵に対応できてしまうため、バランス面でやや単調になってしまう場面も。
もう少し武器ごとの役割の差が明確でもよかったかもしれない。

■ 野盗スナイパーの命中率が異常

野盗スナイパーの命中精度がまるで『ゴルゴ13』。
初見では理不尽に感じるほどの精密射撃に何度も驚かされた。
スナイパーとの遭遇時は常に緊張感があり、逆にそれが面白いという声もありそうだが……。

■ 続編を期待させるエピソードの“置き土産”

物語終盤に描かれるある展開が、明らかに“続編”を予感させるものだった。
もちろん、続きが気になるという意味では非常に嬉しいが、現時点で続編が正式に発表されていないのがもどかしい限り。

総評:ゾンビ・サバイバル・人間ドラマ、そのすべてが高水準で融合した傑作!

『デイズゴーン』は、単にゾンビと戦うだけのゲームではない。
極限状態の中で“人間らしさ”を保ち続けようとする者たちの物語であり、サバイバルという名の旅である。

ここまで読んでくださった方に、心から伝えたい。

「ゾンビゲームが好きな人、サバイバルゲームが好きな人──そして、人間ドラマに弱い人。このゲームは絶対に“刺さる”一本です!」

100点満点とは言わない。
しかし「ゾンビ×サバイバル×ドラマ」の融合を、ここまで見事に描いた作品は極めて稀であり、この体験は唯一無二だ。
ツーリング気分で始めたゲームが、気がつけば人生の物語になっていた──
そんなゲーム体験、あなたもぜひ味わってみてほしい。

-PS4, 趣味

Copyright© 今日もよろしく , 2025 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.