孤児である少年・エアルが暮らす町が、何者かに襲われ炎に包まれた。
町の守り神である空の神様(グリモア)・ノグアルドは、
襲撃をきっかけに長い眠りから目覚める。
町を襲った犯人を探すため、エアルはノグアルドと契約し、広い世界へと旅立つことになる。旅の最中で出会う仲間たちと、そしてグリモアたちとの絆と友情。
心の結びつきは、彼らをどんな冒険へと誘うのか…!?
描きこまれた昔懐かしいドット絵の、温もりあるキャラクターたちと遥かな旅へ!
[toc]
コンパクトにまとまった良作
ケムコのRPGということで、安定した作りのおかげで楽しく遊ぶことができた。
物語や世界観の設定についていえば、本作ならではという独自性というものは乏しく、古き良きRPGのエッセンスを取り込んで作られたという印象で、手堅くまとめた内容に感じた。
主人公を含めた3人による固定パーティーと、様々なスキルを付与する形でサポートしてくれる存在のグリモアとの組み合わせを含めても、スッキリとした構成。昨今のRPGにありがちな多くのスキルやその仕組みを理解することに気後れを覚える中年プレイヤーとしては、気楽に遊べた。
やや、キャラクターデザインに古めかしさがあったり、立ち絵のパターンが乏しいなど、もう少し頑張ってほしいと思えるとこもあったが、登場人物たちによる掛け合いや、心に残るメッセージなどが、それをうまくカバーもしていた気がする。
プレイに関するボリュームという点についていうと、全員をレベル上限の99まで育てたりとストーリー進行とは関係ない部分にも時間を使いながら、10時間弱でクリアすることができたので、まったりとRPGをプレイしたい人にも向いている。
神と人間の結びつきが軸に描かれる物語
本作は、グリモアと呼ばれる神とそれに選ばれた主人公たちの冒険を描いた物語。
グリモアは人々の信仰心によって、その存在や力を認められるという背景がストーリーの主軸となっおり、そのため単に戦闘をサポートするだけの存在ではなく、主人公たちとは心を通わせる対等のパートナーとしても描かれている。
その描かれ方も、人と神という立場を忘れさせてくれるほど軽妙な掛け合いが繰り広げられるなど、ライトな会話劇が中心で、重苦しくなるような展開は皆無と言ってよい。
それでも、クライマックスに向かっていく中で描かれる、人と神の関係性の変化がもたらす展開にはグッとくるものがあったりした。
決して、起伏に富んだ展開があったりするわけではなく、むしろ予定調和のようにさえ感じるのだが、奇をてらわない分だけ、安定した物語はまったりと遊ぶには最適でもあった。
プレイしてよかった点と気になった点
・古き良きスーパーファミコン時代のRPGを体感できる
・移動スピードが速く、ゲーム全体の快適性に繋がっている
・サクサクとレベルを上げることができる
・BGMが良い
・グリモアとの組み合わせによりスキル仕様を簡単にチェンジすることができる
・エンカウント率が高い
・通路と壁の違いが分かりづらいなど、マップデザインに雑と感じるところがある
・モンスターが落とすアイテムが簡単に入手可能なものばかりで、面白みに欠ける
・課金要素がある(多くはプレイにおける時短に属するものであるが)
・成長要素部分が薄い
気楽にRPGを楽しみたい方におススメ!
これまで遊んできたケムコのRPGと比べても突出した部分はないが、尖った部分もないので取っつきやすい作品となっている。
全体的にライト調な物語やキャラクターがメインなので、眉間にしわを寄せてプレイするようなこともなく、のんびりと遊べる。
本編クリア後のプレイについては、やり込み要素はほぼなく、軽めのボリューム。そこも含めて気軽にRPGを遊びたい人におススメ。