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【メルルのアトリエ】アーランド3部作の完結編はどんなゲーム?プレイ感想まとめ

投稿日:2022年5月10日 更新日:

メルルは、小さな国のお姫様です。
その小さな国を発展、盛りたてていくことが本作の目標となります。
その手段として、錬金術や探索、戦闘、出会いが重要な要素を占めています。

アーランド三部作のフィナーレにふさわしい構成

『メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~』は、シリーズ第3作目にあたる作品であり、『ロロナのアトリエ』『トトリのアトリエ』に続くアーランド三部作の完結編として位置付けられています。物語や世界観はもちろん、登場キャラクターも前作から多数再登場しており、まさにシリーズの集大成という印象を強く受けました。

そのため、新規キャラクターの数は比較的少なく、主要メンバーの多くが過去作からの続投。これにより、シリーズを追ってきたプレイヤーにとっては、旧知の仲間たちの成長した姿を確認できる喜びがある一方で、今作から初めてプレイする人にとってはキャラクター同士の関係性や過去の経緯が掴みにくいという側面も否めません。

ただし、キャラクター同士の会話やイベントは丁寧に作られており、前作を知らなくても雰囲気で楽しめる工夫も随所に見られます。設定や過去の物語にそこまでこだわらない方であれば、十分に楽しめる作りにはなっていると言えるでしょう。

錬金術師でありながら小国のお姫様という二面性

主人公・メルルはアールズ王国のお姫様でありながら、錬金術を志す新米錬金術師という珍しい立場のキャラクターです。この“王族×錬金術師”という組み合わせが新鮮で、従来の主人公とは一線を画した個性を際立たせています。

ただし、本人の性格は非常に親しみやすく、王族らしい威厳や堅苦しさとは無縁。師匠であるトトリにも礼儀正しく接しつつも、その関係はあくまで師弟としてのフランクな距離感を保っており、また幼なじみたちとの交流も対等な友情として描かれている点が好印象です。

舞台となるアールズ王国は、将来的に他国との併合が予定されているという背景がありながらも、物語全体に悲壮感はほとんどなく、メルルの明るさと前向きな姿勢が物語全体の雰囲気を温かいものに仕立てています。

波乱万丈のトトリ編とは対照的な、穏やかな物語展開

『トトリのアトリエ』が冒険と成長、そして波乱に満ちた物語であったのに対し、『メルルのアトリエ』は比較的穏やかで落ち着いた展開が印象的です。とはいえ、シリーズの締めくくりという大役を担っているだけあって、過去作のキャラクターとの絡みや各所に散りばめられたエピソードからは、確かな“集大成感”が伝わってきます。

むしろ、あえて強いドラマ性を控えたことで、プレイヤーは自分自身のペースで物語を楽しめるようになっており、それは“お姫様であるメルルが国を発展させていく”というゆったりとしたゲームプレイと非常にマッチしているように感じました。

開墾システムと国づくりが生み出す錬金術の新たな価値

今作最大の特徴ともいえるのが「開墾システム」です。これは従来のモンスター討伐やアイテム調達に加えて、土地を発展させていくという国づくりの要素が加わったもので、プレイヤーの行動が目に見える形で地図に反映されていくのが非常に面白い要素となっています。

また、このシステムによって錬金術の価値が“戦いや冒険の補助”ではなく“人々の生活を豊かにする技術”として描かれており、まさにシリーズの原点に立ち返ったとも言える仕上がりです。前作のトトリでは冒険者的要素が強く、錬金術がやや脇役になってしまっていた印象もありましたが、メルルでは再び主役としての錬金術が活きてきたのがとても良かった点です。

真のエンディングを目指すなら周回プレイは必須!

のんびりとした雰囲気の中にも、ゲーム的には意外なほどハードな側面もあります。特に“最高度のエンディング”を見るには、かなり計画的なプレイとやりこみが求められる仕様であり、初回プレイで見るのは不可能とされています。

そのため、最低でも2周目のプレイが前提となっており、初回は情報収集と準備、2周目で装備を整えて理想のエンディングを目指す、という流れが基本となります。シリーズ経験者であれば、こうした構成を「やりこみ要素」として前向きに捉えられると思いますが、初めて触れる人には少し驚かれるかもしれません。

ただし、2周目以降は強力な装備やスキルを引き継げるようになっているため、テンポよく物語を進められる工夫もされており、必要以上にストレスを感じることはないでしょう。

◆ 良かった点:シリーズ経験者にも新規プレイヤーにも嬉しい工夫が多数

◎ ロロナ、トトリをプレイしてきた人には“ニヤリ”とする展開が豊富

前作『ロロナのアトリエ』『トトリのアトリエ』でおなじみのキャラクターたちが数多く再登場しており、彼らのその後の姿や関係性の変化を見ることができるのは、シリーズを追ってきたファンにとってはまさにご褒美のような展開。イベントシーンの端々に散りばめられた小ネタや、過去を踏まえた会話に思わずニヤリとしてしまう瞬間が何度もありました。

◎ お姫様であるメルルが驚くほど親しみやすいキャラクター

高貴な身分にありながら、天真爛漫で誰にでもフレンドリーに接するメルルの人柄はとても魅力的。お姫様という立場にありがちな威圧感や高飛車な性格とは無縁で、どこか普通の少女らしさも感じさせてくれます。仲間や師匠との関係もフラットで自然体、プレイヤーも自然と彼女に感情移入しやすくなっています。

◎ 開拓要素による達成感とゲームへの没入感

本作独自の「開墾システム」は、モンスター討伐やアイテム調合などの行動を通じて国の発展に貢献していくという、まさに“国づくり”を実感できる仕組み。成果が視覚的に反映されていくため、自分の行動がしっかりゲーム内世界に影響を与えている感覚が得られ、やりがいも十分です。

◎ 洗練されたビジュアル・音楽・演出

キャラクターデザインは魅力的かつ個性豊かで、どのキャラクターも印象に残る仕上がり。BGMも耳に残る楽曲が多く、世界観への没入感を高めてくれます。さらに、フルボイス対応のイベントはストーリーを彩り、キャラクターの感情や関係性をより深く感じ取ることができました。

◆ 気になった点:やりこみ要素と親切設計のバランスに課題も

△ 最高エンディングを目指すには2周プレイが必須

本作では、どれだけ効率的にプレイしても初回で“最良のエンディング”を見ることは不可能。2周目以降に備えて準備を進める設計となっており、やりこみプレイが前提となっています。シリーズファンには受け入れられやすい設計ですが、初見プレイヤーにとってはややハードルが高い印象を与えるかもしれません。

△ 1周目の情報量が多く、計画を立てないと中途半端に終わりがち

初回プレイでは開拓、調合、戦闘、イベント消化など、こなすべき要素が多岐に渡り、時間制限の中で優先順位を見誤ると、ストーリーも成長も中途半端に終わってしまう可能性があります。ガイド的な要素がもう少し強化されていれば、もっと安心して遊べたかもしれません。

△ 開拓システムが合わない人も

国づくりというユニークなシステムは斬新で魅力的ではあるものの、調合や冒険に重点を置いて遊びたいプレイヤーにとっては、開拓ミッションがやや煩雑に感じられる可能性もあります。プレイスタイルによって評価が分かれそうな部分です。

△ 初見では仲間キャラに感情移入しにくい可能性

再登場キャラが多く、彼らの背景や関係性が前提として描かれる場面も多いため、今作からシリーズに入った人は、物語に入り込みづらく感じることもありそうです。補足的な説明が少なめな点は、初見プレイヤーへのハードルになり得ます。

△ 錬金効果の検索機能が直感的でない

錬金術の肝であるアイテム効果の検索・絞り込み機能がやや不親切で、目的の効果や素材を探すのに手間取ることも。もう一歩踏み込んだユーザビリティがあれば、より快適に楽しめたかもしれません。

シリーズ初心者にもスルメ好きにも刺さる完成度の高い1本

アーランドシリーズ第3作目にして、総仕上げとなる『メルルのアトリエ』は、ストーリー、キャラクター、ゲームシステムの各面で丁寧に作り込まれており、シリーズファンはもちろん、アトリエ初挑戦のプレイヤーにもおすすめできる良作です。

時間制限の中で何を優先し、どこまで追求するかという選択が常に求められますが、その分、うまく成果を出せたときの達成感はひとしお。カジュアルなビジュアルとは裏腹に、遊ぶほどに奥が深く、気づけば何時間もプレイしてしまう“スルメゲー”です。

ただし、感覚的に楽しめるゲームではなく、ある程度の計画性や試行錯誤が前提となる点は、人によって好みが分かれる部分かもしれません。それでも、メルルという等身大のお姫様と、彼女を取り巻く仲間たちのやりとりは楽しく、錬金術というテーマを明るく、前向きに描いた姿勢は見事でした。

シリーズを通してのプレイがベストではありますが、もし本作から始めたとしても、メルルとともに歩む錬金術師としての日々は、きっと心に残る体験になるはずです。

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