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【ファン視点】アサクリ3で味わった魅力と不満、そのすべて

投稿日:2019年1月17日 更新日:

アサシンクリードシリーズのファンとして、これまで初代、そしてエツィオ三部作をじっくりと遊び、世界観や物語構成、歴史との融合に大いに魅了されてきました。そして今回、その流れでついに『アサシンクリード3』をプレイし終えたので、率直な感想を交えつつ振り返ってみたいと思います。

二人の主人公が織りなすドラマ──父・ヘイザムと息子・コナー

今作は大きく前半と後半に分かれ、プレイヤーはそれぞれ異なる視点から物語を体験していく構成になっています。序盤を飾るのは、これまで敵として描かれてきたテンプル騎士団に属する男・ヘイザム・ケンウェイ。彼の視点で進む物語には、アサシン教団の視点では見えなかった、もう一つの正義や秩序への哲学が垣間見え、非常に興味深い導入となっています。

一方、後半の主役は、ネイティブアメリカンの血を引くヘイザムの息子、コナー(ラドンハゲードン)。母親をテンプル騎士団に殺され、復讐を胸にアサシンとなった彼は、自身の出自と向き合いながら、アメリカ独立戦争という激動の時代の中で戦っていきます。

親子でありながら敵対するという複雑な関係は、単なる善悪の対立では済まされない深みを持ち、物語全体に重厚な人間ドラマを与えていました。時に利害が一致し、共闘する場面では親子としての絆を感じさせながらも、最終的には理想の違いによって衝突する。彼らの決裂は、感情的でありながらも理性的で、実に痛ましくも見ごたえのある展開でした。

コナーという主人公の葛藤と未熟さ

『アサシンクリード3』は、アメリカ独立戦争という大きな歴史的背景を主軸に据えています。しかし、そこに「母の仇討ち」という個人的なテーマを絡めたことで、やや焦点がぼやけた印象も否めません。

特に主人公コナーは、政治や社会情勢に対して未熟さが際立ち、理想主義が空回りしているようにも映ります。その純粋さこそが彼の魅力である一方で、エツィオやアルタイルと比べると、どうしても人間的魅力に欠ける印象を受けました。

また、歴史上の大事件への関与が過剰になっており、「この物語はアサシンである必要があったのか?」と思ってしまう場面も。コナーはどちらかと言えば、アサシンというより革命家の方がしっくりくる立ち位置であり、その点でもやや役割と物語の乖離があったように感じます。

美しい自然と物足りない街並み──舞台としての評価

シリーズ恒例の“観光的な没入感”は、今作でも健在でした。特に森や川、そして広がる大海原といった自然の風景描写は圧巻で、馬に乗って駆け抜けるだけでも爽快感があります。

ただ、都市部の景観はやや物足りなさを感じました。前作までのイタリア建築のような目を引くランドマークや荘厳な建造物が少なく、街並みに歴史的な美しさや芸術性が欠けていた点は残念でした。探索していても、「ここは一体どこだったっけ?」と印象が薄れがちだったのが正直なところです。

キャラクター描写と人間ドラマの深み

物語を彩る人物たちは、今回もそれぞれに個性があり魅力的です。ただ、コナー自身が非常に不器用で寡黙な性格であるため、他の登場人物との会話が弾まず、人間関係の描写に乏しかった点は否めません。

そんな中で、印象深かったのがアキレスという老アサシン。彼はコナーの師匠であり、疑り深くも情の深い人物。時には厳しく、時には優しく、彼がいなければコナーはアサシンとして成長できなかったと言っても過言ではありません。ある意味、実の父親であるヘイザムよりも「精神的な父」としての役割を果たしていました。

また、もう一人の重要人物がチャールズ・リー。彼はコナーの母の仇であり、宿命のライバルとも言える存在です。物語が進むにつれ、リーとコナーの因縁は大きく膨らみ、最終局面では感情が爆発するような決着が描かれます。

父・ヘイザムと、仇・リー。この二人の大きな存在を超えていくことで、コナーは一人の戦士として成長していく──その過程こそが、本作の最大の見どころだったのかもしれません。

■ 海戦ミッションという革命──アサシンが船長になる!?

本作を語る上で、まず触れておきたいのが**「海戦ミッション」**の導入だ。主人公コナーが自らの艦を持ち、大海原を舞台に砲撃戦を繰り広げるというこの新要素は、それまでのステルス暗殺主体のゲーム性とは明らかに毛色が違う。

「アサシン=闇に紛れて任務を遂行する者」というイメージからすれば、まさにぶっ飛んだ発想。しかし、いざプレイしてみると、これが驚くほどよく出来ている。帆の開閉、風向きの把握、大砲のタイミングなど、本格的な操作が求められるうえ、艦のカスタマイズ要素もあり、ハマる人はとことん楽しめる内容に仕上がっている。

加えて、この海戦パートが後の『アサシンクリード4 ブラックフラッグ』への礎となったことを考えると、シリーズの未来を切り拓いた革新的な試みだったと言えるだろう。

■ 狩猟と交易のシステム──生活感を持ち込んだ新たな挑戦

本作では、もう一つの大きな要素として「狩り」が導入された。フロンティアに生息する動物たちを追い詰め、皮や肉を採取し、それを材料として衣料や食料に加工。それらを商業用として交易に出すことで利益を得るという一連のサイクルが、ミニゲーム的な要素を超えて、世界観の一部としてしっかり組み込まれている。

これまでのシリーズにはなかった「生活の匂い」が感じられ、没入感を高める仕掛けとして評価できる。素材集めが苦痛になるどころか、目的をもって収集活動を行う動機づけがあるため、プレイヤーにとっては自然な流れで楽しめるのも大きな魅力だ。

■ ホームステッドの発展──コナーが築く“新しい家族”

今作では、舞台となる地域を発展させる要素として「ホームステッドミッション」が登場する。未開の地に人々を招き入れ、それぞれの背景を持った住人たちと交流していくこの要素は、コナーにとっての“擬似家族”を形成していく過程でもある。

不器用ながらも、人との関わり方を学び、コミュニティを築いていく姿には、どこか感動的な温かみがあり、彼の孤独な出自との対比が印象的だった。特定の住民には個別のミッションが用意されており、コンプリートを目指すとなかなかのボリュームもある。

コナーにとって、この場所が“故郷”になることを願わずにはいられない──そう思わせてくれる、シリーズの中でも珍しい感情の描写が感じられる試みだった。

■ アサシンの育成も進化──弟子システムの再構築

『ブラザーフッド』で確立されたアサシンの弟子育成システムも、今作では少し形を変えて継承されている。今回は弟子候補が6人に限定されており、それぞれに個別の物語や背景が用意されているのが特徴だ。

全員分のミッションをこなそうとすれば、それなりの時間と労力がかかるが、それによって一人ひとりのキャラがしっかりと立っており、従来のような“使い捨て感”は減っている。

とはいえ、弟子たちの活躍の場は限定的で、メインミッションでの存在感は薄い。せっかく育成した仲間たちが物語にあまり絡まないのは、やはり物足りなさを感じてしまう。

■ デズモンドの最期──シリーズの象徴が迎える幕引き

アサシンクリードシリーズの現代編において、長きにわたってプレイヤーの“窓”であり続けたデズモンド・マイルズ。彼が本作で物語の終焉を迎えることになる。

正直、現代パートにあまり重きを置いてこなかった自分としては、そこまでの思い入れはなかった……と言いたいところだが、いざラストを迎えると、そのあまりに報われない結末にやるせなさを覚えずにはいられなかった。

彼は、過去のアサシンたちの記憶をなぞる“器”として機能してきたが、まるで道具のように扱われてしまった彼の人生には、どこか悲しみが残る。彼がたどり着いた結末が本当に最善だったのか──シリーズを追ってきたプレイヤーであれば、きっと複雑な気持ちを抱くことだろう。

【アサシンクリード3総評】革新と戸惑いが交錯する意欲作──斬新さと不満点、そして未来への希望

『アサシンクリード3』を一通りプレイし終えて、改めて感じたことを素直に綴っておきたいと思う。シリーズの大ファンとして、どうしても好意的な目で見てしまう部分はあるが、それでも気になった点や疑問に思った部分はいくつか存在した。

アメリカ独立戦争というシリーズ最大級のスケールで描かれた本作。だがその裏には、システム面での違和感や、従来シリーズとは異なるプレイフィールが潜んでいた──。

■ 不満その1:宝箱すら煩わしい!? わざとらしい操作への違和感

まず真っ先に感じたのが、インタラクション周りの操作性。例えば宝箱を開ける場面。これまでの作品であれば、ボタンを押せば即座に開いたものが、今作ではアナログスティックを使ってロックを解除するミニゲームへと変わっている。

この仕組み自体は難しくないのだが、登場頻度が高いため、やがて面倒に感じてしまう。しかも中には、設計図や交易用の素材など、ゲームの進行や装備に直結する重要アイテムが含まれているため、完全に無視もできないというのが厄介なところだ。

さらに、特定の扉を開ける際にも似たような操作が求められ、これまでスムーズだった部分にわざわざ“手間”が加えられているように感じた。これはゲーム体験としてのストレスフリーな感覚が損なわれた一例だろう。

■ 不満その2:爽快感が激減した戦闘バランス

戦闘についても、いくつかの不満が残った。これまでのアサシンクリードシリーズでは、「アサシン=戦闘でも無双できる存在」として描かれていた。しかし今作では、主人公コナーが明らかに弱体化している印象を受けた。

街中の兵士との小競り合いでも油断すればあっさりやられてしまう。というのも、雑魚敵ですらこちらの攻撃に対してカウンターを仕掛けてくる場面が多く、連続キルやコンボを決めることが難しい。

さらには、回復アイテムが撤廃されて自然回復制になったことで、戦闘中の緊張感が大幅に増した。これはリアルさを重視した結果かもしれないが、これまでの爽快なアクションを期待していたファンからすれば、物足りなさを感じたはずだ。

加えて武器の使い勝手もクセが強く、武器ごとの個性というよりも“使いにくさ”が先に立つ設計だったため、戦闘そのものが億劫に感じられる瞬間もあった。

■ 振り返って見える“意欲作”としての一面

不満点はあれど、全体を通してみれば、やはり楽しく遊べたのが正直なところだ。メインミッションから海戦、狩猟、交易、ホームステッドの発展、アサシンの育成まで──多くの要素を体験でき、ボリュームのある一本だったことは間違いない。

コナーに関しては、エツィオやアルタイルのようなシリーズを代表するカリスマ性を持ったキャラクターではなかった。だが、だからこそ彼の不器用な生き方や、世界に翻弄される姿はリアルで、どこか人間くささを感じさせた。

アサシンクリード3は、単なるシリーズの延長線ではなく、新たな方向性を模索する“雛型”のような存在だったと思う。そこには当然、荒削りな部分や未完成な部分も含まれる。しかし、だからこそ挑戦的であり、シリーズの進化を示す作品として価値があるのだ。

■ 実際にプレイした人たちの声

プレイヤーによって評価は分かれるが、よく見られる意見をいくつか紹介しておきたい。

  • 「コナーは地味だったけど、現実味があって好きになれた」

  • 「海戦が思った以上に面白くて、むしろそっちが本編」

  • 「街並みに魅力がなく、探索の楽しさが半減した」

  • 「戦闘がシビアになりすぎて、ストレスがたまった」

  • 「ホームステッドの住民との交流が心に残った」

本作は、シリーズファンからは“挑戦的だが不安定”という評価を受けつつも、「変化」を求めた開発陣の意志が伝わる作品であることは、多くのプレイヤーが認めているようだ。

■ 総まとめ:アサシンクリード3は“戸惑いをもたらす挑戦作”

アサシンクリード3は、決して万人受けする作品ではなかった。しかし、それはこれまでのシリーズに安住しなかった証でもある

新たなゲーム体験を盛り込みながらも、古き良き部分を忘れてしまった――そのギャップが、戸惑いや不満を生んだのかもしれない。それでも、確かに「次の可能性」を感じさせてくれる一作だった。

コナーという主人公が一作のみで退場してしまったこと、そしてデズモンドの物語が一区切りついたこと。シリーズとしては大きな転換点を迎えた今作は、振り返ってみれば、ファンに新たな視点を与えた“問題作”でもあり、“期待作”でもあった

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