冷凍コーナーに現れた「名店の大将」という名の誘惑

スーパーの冷凍食品コーナーをパトロールしていると、ひときわ「男前」なオーラを放つパッケージと目が合いました。日清食品から発売されている「麺屋一燈監修 麺屋の炒飯」です。
パッケージには、ラーメン通なら誰もが知る名店「麺屋一燈」のご主人が自信たっぷりに鎮座しています。私自身、お店の味を直接知っているわけではありませんが、天下の日清食品がわざわざコラボレーションを仕掛けるからには、ラーメンのみならず炒飯のクオリティも相当なものだろうと踏んだわけです。 「鶏ガラベースに5種類の魚介の旨みが詰まった、今までにない新しい味わい」 この魅力的なフレーズに、おっさんの食いしん坊センサーは即座に反応し、迷わず買い物カゴへと導かれました。

鶏ガラをベースに、5種類の魚介の旨みがつまったラーメンスープの味わいを活かした本格炒飯です。麺屋一燈とのコラボにより実現した、今までにない新しい味わいをお楽しみいただけます。



電子レンジよりも「フライパン」で挑む職人気質


この手の冷凍炒飯は電子レンジでも手軽に調理可能ですが、おっさんはあえて「フライパン加熱」を選択しました。 レンジ特有の熱ムラや、お米のベチャつきを避けるため、パラパラとした絶妙な仕上がりを求めて自ら火を操ることに決めたのです。
熱したフライパンに凍ったままの炒飯を投入し、丁寧に炒め合わせていきます。 具材を確認すると、卵、鶏肉、ねぎという実にミニマルな構成。これが無名の冷凍炒飯であれば「具が少なすぎるのではないか」と文句の一つも出そうなところですが、そこは名店監修。 「素材を絞り込むことで、出汁の旨味を際立たせているに違いない」 そんな風に、大将の看板を信じて素直に従ってしまう自分がそこにはいました(苦笑)
期待を裏切る「削り節」の独奏会

調理が完了し、いよいよおっさんの至福の実食タイムが幕を開けました。 鶏ガラと魚介の複雑なハーモニーを想像し、期待を込めて大きく一口。
「……うん? ……これは、期待外れだな」
正直に申し上げましょう。口の中に広がったのは、鶏ガラの深いコクでも、5種の魚介の重層的な旨味でもありませんでした。 感じられたのは、ほとんど「削り節の味」一点張り。 魚介の旨味を活かした結果だと言えば聞こえは良いですが、実際には味に深みが全くなく、極めて淡白で平坦な印象しか残りませんでした。ラーメンスープの味わいを活かしたという触れ込みは何処へやら。名店の名を冠していることが、かえってその味の薄っぺらさを強調してしまっているようでした。
インパクト不足。家庭の味にも及ばない「物足りなさ」
食べ進めていくうちに、おっさんの落胆はさらに深まっていきます。 魚介の風味が強すぎるというよりは、単純に「かつお節をまぶしただけ」のような単純明快すぎる味わいなのです。
申し訳ないが、この程度の仕上がりであれば、料理の素人が家であり合わせの調味料で作る炒飯の方が、よほど味のインパクトも満足感もあると感じてしまいました。 味がこれほどまでに淡白でインパクトに欠けるとなると、先ほど「素材を絞ったのだ」と好意的に解釈した具材のシンプルさも、途端に「ただコストをケチっただけではないか」というネガティブな印象に変わってしまいます。期待が大きかっただけに、裏切られた際の喪失感は計り知れません。
リピートなし。おっさんの冷凍庫には二度と現れない「名店」
日清「麺屋一燈監修 麺屋の炒飯」
総評としては、名店のネームバリューと日清の技術力を以てしても、おっさんの舌を唸らせるにはあまりに個性が欠如した、非常に残念な一品でした。
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削り節系の、あっさり(というより薄味)した魚介風味が好きな方
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名店「麺屋一燈」のファンで、すべての監修商品を網羅したい情熱をお持ちの方
こうした方々なら、あるいは別の評価になるのかもしれません。 しかし、がっつりとした炒飯らしい満足感を求めている方や、冷凍炒飯に一歩進んだクオリティを期待している方には、おっさんは首を縦に振ることはできません。 残念ながら、リピートはあり得ません。期待した「名店の魂」は、フライパンの熱と共に空へと消えてしまったようです。皆さんも、名店監修という甘い誘惑には、時に冷静な視点が必要であることを忘れないでくださいね。