洋食屋さんの王道「ナポリタン」をまるごとフライに!

冷凍食品コーナーで一際ユニークな存在感を放っていた「ナポリタンフライ」。この商品の最大の特徴は、誰もが慣れ親しんできたあの喫茶店や洋食屋さんのメニューをそのままワンハンドの揚げ物に仕立てたという、驚きのギミックにあります。
公式の解説によると、「昔ながらの洋食屋さんをイメージし、ナポリタンをまるごとフライにしました。見た目も楽しくトマトソースを線がけしています」とのこと。
ただでさえ濃厚なケチャップ味のナポリタンを、さらに衣で包んで揚げるという構成からは、お弁当のマンネリを打破しようというメーカーの熱意が伝わってきます。この斬新な足し算がどのようなシナジー(相乗効果)を生み出しているのか、さっそく調理(解凍)を始めていきましょう。

昔ながらの洋食屋さんをイメージし、ナポリタンをまるごとフライにしました。見た目も楽しくトマトソースを線がけしています。



解凍前後のビジュアル変化と、お洒落なトマトソースの線がけ


パッケージから取り出してみると、電子レンジで温める前の段階から、衣の表面に綺麗に施された「トマトソースの線がけ」が非常に強いインパクトを放っています。こうした細かい部分の見た目の楽しさは、お弁当に彩りをプラスする上でも嬉しいホスピタリティですね。
指定の時間通りに電子レンジでチンして解凍してみると、衣がほんのりとキツネ色に色づき、ケチャップの香ばしいアロマがふんわりと広がります。
解凍前後を比較しても、トマトソースの鮮やかさや形にそれほど大きな変化はなく、崩れにくい安定したパッケージングを保っています。ビジュアル面に関しては、お弁当箱に入っているだけでも会話が弾みそうな、文句なしの合格点を出せる仕上がりです。
半分に割って驚き!ミリ単位に凝縮された未知なるスパゲッティ


いよいよ、未知なるナポリタンフライの実態を暴くべく、ナイフで綺麗に半分にカットしてみました。
「おお……中身の構造が想像以上に凄いことになっている!」
断面を覗き込んでみると、そこには私たちが普段フォークで巻き取って食べるような長いパスタの姿はありませんでした。代わりに、衣の内部へみっちりと詰め込まれていたのは、なんと「ミリ単位の長さに細かくカットされたスパゲッティ」。
さらに、ナポリタンには絶対に欠かせない定番具材である「玉ねぎ」や「ピーマン」も、スパゲッティの規格(サイズ感)に合わせるように、すべて同じようなミニサイズで等しく散りばめられていました。この、小さなフライの中にナポリタンのアイデンティティ(構成要素)をギュッと凝縮しようとした、開発陣の緻密な引き算と足し算の仕事ぶりには、素直に感心させられるものがあります。
味の再現度は完璧!しかし揚げ物にする意義への正直なジレンマ
細部までチェックを終えたところで、いよいよ一口、贅沢に味わってみました。
結論から言うと、口に含んだ瞬間に広がる「味の再現度」に関しては、間違いなく完璧にナポリタンそのものです。 本醸造醤油やケチャップのコクを思わせる、あの昔懐かしい甘酸っぱさと濃厚な旨味がしっかりと生きており、ソースの風味と相まって、味付け自体は非常に美味しく仕上げられています。
ただ、レビューとして購入前の皆さんに誠実に向き合う中で、どうしても拭いきれない「ジレンマ(気になるポイント)」も浮き彫りになりました。
それは、中身の具材があまりにも細かくカットされすぎているがゆえに、ナポリタンの醍醐味である「麺のツルツル感」や「弾力のある歯ごたえ」といった食感が、ほとんど完全に失われてしまっている点です。
衣のサクサク感の奥にある中身が、どうしてもペーストに近いような大人しい口当たりになってしまっているため、「わざわざ手間をかけて揚げ物(フライ)として食べる意義や優位性がどこまであるのか」と問われると、やや首を傾げてしまうというのが正直な本音です。
ネタとしての面白さやアイディアの斬新さは間違いなく一級品で高く評価できるのですが、一通り味わい終えた後には、おっさん的に「やっぱり、普通に長い麺のままのナポリタンとして、フォークでガッツリ食べたいな……」という素朴な思いが強く残る結果となりました。
お弁当のアクセントや、おうち居酒屋の「話のネタ」に最適な変化球
今回、マルハニチロの「ナポリタンフライ」をじっくりと体験してみて、その突き抜けたコンセプトの面白さと、食感における独自の課題(ジレンマ)を肌で感じる素晴らしい機会となりました。
ガッツリとしたメインのおかずとして王道の美味しさを期待して購入すると、食感の乏しさに少し拍子抜けを覚えてしまうかもしれませんが、この商品の真価は別のところにあります。
例えば、毎日の単調になりがちなお弁当のおかずにポンと1個忍ばせるだけで、子供や家族が「これ何!?」と喜ぶような素晴らしいサプライズ(彩り)を演出してくれます。また、週末の夜におうち居酒屋のちょっとした変化球おつまみとして、キンキンに冷えた炭酸飲料やビールを用意してテーブルに並べれば、「ナポリタンがフライになってるぞ」という、最高の会話のネタ(エンターテインメント)として大活躍してくれることは間違いありません。
ストック棚や冷凍庫に1袋入れておけば、日常の食卓にちょっとした笑いと楽しさをデリバリーしてくれる頼もしい名脇役です。スーパーの冷凍食品コーナーで見かけた際は、ぜひ一度その手に取って、マルハニチロが仕掛けた「未知なるナポリタンのトランスフォーム」をご自身のキッチンで体験してみてはいかがでしょうか。