「異様」なまでの黒さへのこだわり

ローソンのパン売り場で、この漆黒のパッケージとパンの姿を見つけた時、即座に「これはSNSのタイムラインを騒がせるために生まれた、話題性特化型の戦略的パンだ」と直感しました。
この商品が持つ最大の強みであり、手に取る側が最も期待を寄せるポイント(アイデンティティ)は、やはり「ブラックココアパウダーで染め上げた生地」と「竹炭によるミルクホイップ」という、徹底した黒へのこだわりです。
焼肉店監修のパンとして、あえて「黒」というインパクトで勝負したその姿勢は、パン業界の常識を覆す大胆さがあります。ローソンが仕掛けたこの「見た目の衝撃」という挑戦が、どれほどの満足感をデリバリーしてくれるのか。期待(と少しの不安)を込めて開封していきましょう。


ブラックココアパウダーで黒くした生地に竹炭で黒くしたミルクホイップをサンドしました。

食欲を揺さぶる?否、躊躇させる漆黒の姿


開封すると、目の前に現れるのはまさに「黒い物体」。ココアパウダーで染められたパン生地に、竹炭入りのクリームが挟まれています。 お世辞にも「美味しそう!」とは言い難い、どこか「灰」を連想させるような色味。
この異様な見た目は、食べる前に誰しもが一瞬、スプーン(あるいは手)を止めてしまうほどの破壊力を秘めています。パッケージを開けた瞬間の、「これを本当に食べるのか?」という自問自答こそ、この商品の醍醐味なのかもしれません。
【味覚の本音検証】「酸味」という名の謎の刺客
それでは、覚悟を決めて、いざ実食。本音の味覚検証を開始していきましょう。
「……なるほど。パンでこの酸味は予想外だ。生地から来るのか、クリームなのか?いずれにしても、この風味は好みが分かれるところだ。」
一口食べて確信しました。従来のコッペパンに抱いている「小麦の甘み」や「ふんわりした食感」という期待が、良い意味でも悪い意味でも裏切られます。特にパン生地から感じられる、独特の酸味。これが終始味を支配しており、バニラホイップの甘さを覆い隠してしまっている印象を受けます。 おそらく、炭の質感を表現するための素材や製法の影響かと思われますが、私たちが日常的に求めている「菓子パンの甘美さ」とは異なるベクトルで設計されているようです。
話題性を楽しむための「エンターテインメント」
正直に申し上げると、この商品は「日常的にリピートしたい癒やしのパン」ではありません。むしろ、友人や家族と「これ、すごい色だね!」と盛り上がりながら食べるための、一種のエンターテインメント・スイーツといえるでしょう。
リピート確定…とは言えない!挑戦的な「異色作」
全体をトータルで評価したとき、この「黒deバニラコッペパン」は、味の完成度よりも「話題性」や「驚き」を最優先させた、極めて挑戦的な一品であると結論付けました。
あえて大衆に媚びることなく、その異様な黒さに徹したその仕事ぶりには、ある種の敬意を覚えます。ただ、個人的な好みでいえば、もう一度手に取ることはないでしょう。味の方向性があまりにも個性的すぎて、万人に受け入れられるには少し高いハードルがあるように感じました。
大人を満足させる「遊び心」術
このコッペパンの持つ「個性」を最大限楽しむための、少し変わった楽しみ方をご紹介します。
※おっさん流の楽しみ術 この「黒deバニラコッペパン」を食べるなら、ぜひ「非常に濃いコーヒー」と一緒に楽しんでみてください。 酸味のあるパンとコーヒーの苦味が混ざり合うことで、まるでお店で食べる「少し尖った大人のデザート」のような深みが生まれます。また、もし時間に余裕があれば、半分にカットして「冷蔵庫でしっかり冷やして」みて。冷やすことで酸味が少し落ち着き、生地の食感が引き締まるので、常温で食べるよりも格段に食べやすくなりますよ。この一手間で、パンの持つポテンシャル(の活かし方)はガラリと変わります。
リピート確定とは言えないが、記憶には刻まれる「黒い衝撃」
今回、ローソンの「黒deバニラコッペパン」をじっくりと体験してみて、その大胆なデザインと独特の風味が、いかにして私たちの固定観念を揺さぶるかを深く見極めることができました。
味という点では万人向けではありませんが、その異様な外見と記憶に残る酸味は、間違いなく「話題の一品」としてその名を刻むことでしょう。一口食べれば、きっと誰もが「これは、一度は食べておかないと何とも言えないな!」と頷くはず。
「手軽に美味しいパンが食べたいけれど、変わったものも体験してみたい」。そんなニーズにおいて、これほどインパクトの強いコッペパンは他にありません。