四国の情緒を食卓に。あわしま堂が放つ「タルト黒あん」の誘惑

スーパーの和菓子コーナーで、一際目を引く「の」の字の曲線。今回おっさんが手にしたのは、あわしま堂の「タルト黒あん(ゆず風味小豆こしあん)」です。
「……ほう! 自家炊きのゆず風味餡をカステラ生地で巻いた、まさに王道のタルトじゃないか」
タルトといえば、愛媛県をはじめとする四国の銘菓として有名ですが、あわしま堂が手掛けることで、より身近に、そして贅沢に楽しめる一品となっています。ゆずの香りと小豆こしあんのハーモニー。和菓子好きのおっさんとしては、この組み合わせに期待せずにはいられません。

自家炊き柚子風味の小豆こしあんをカステラ生地で「の」の字に巻いた、ふわふわタルトです。

圧巻のボリューム。カステラ生地に抱かれた「漆黒の旋律」


袋から取り出してみると、まずその重量感に驚かされます。 「!!……素晴らしい。手に持っただけで伝わる、このずっしりとした手応え。これは食べ応えがありそうだぞ」
カステラ生地の間には、隙間なくぎっしりと小豆こしあんが詰め込まれています。その名の通り、断面に見える「の」の字のバランスが実に美しく、職人の丁寧な仕事ぶりが伺えます。自家炊きにこだわったという餡が、口の中でどのような物語を紡いでくれるのか。おっさんは、期待を込めてその一切れを手に取りました。
実食!鼻腔を突き抜ける「ゆず」の先制攻撃

いざ、大きく一口。 その瞬間、おっさんの予想を遥かに上回る衝撃が走りました。 「!!……なんだこの香りの強さは! ゆずの風味が、文字通り『主役』として躍り出てきたぞ」
正直、食べる前は「ほんのり香る程度だろう」と高を括っていました。しかし、実際には香り付けのレベルを遥かに超越した、鮮烈なゆずの風味が口いっぱいに広がります。
「……ほう。なるほど。小豆こしあんの上品な甘さを、ゆずの爽やかな酸味と香りがグイグイと引っ張っていく。この力強さこそが、あわしま堂流のタルトなんだな」
ふんわりカステラの包容力。重さを感じさせない「食感の魔法」
これほどまでに濃厚な餡を支えているのが、外側のカステラ生地です。 「!!……この生地、驚くほどふんわりとしていて口当たりが優しいな。たっぷり入った餡の重さを、見事に中和してくれているじゃないか」
もし生地がパサついていたり、重すぎたりすれば、このボリューム感は途中で飽きが来てしまったかもしれません。しかし、この「ふわふわ食感」があるおかげで、一口、また一口と、心地よいペースで食べ進めることができます。餡の滑らかさと生地の柔らかさが一体となり、喉を通り抜ける瞬間の多幸感は、まさに和菓子の醍醐味と言えるでしょう。
評価の分かれ道。ゆずの個性をどう捉えるか
あまりのインパクトに、おっさんはあえて率直な感想を付け加えます。
「……ふむ。正直に言えば、ゆずの風味が強すぎて、こしあん本来の風味が少し負けてしまっている感は否めない。だが、それが悪いわけではないんだ」
ゆずの香りが大好きな人にとっては、これほど癒やされる口当たりはないでしょう。一方で、純粋に「あんこ」の味だけを堪能したい人には、この香りの強さは少々刺激的に映るかもしれません。 「!!……だが、この潔いまでの味付けこそが、このタルトのアイデンティティだな。ゆずが苦手でなければ、この爽快な後味は間違いなくクセになるぞ」
日常のティータイムを彩る、あわしま堂の「和の真心」
期待を裏切らないボリューム、そして期待を遥かに超えてきたゆずの存在感。 「……ふむ。これは緑茶はもちろん、意外とコーヒーにも合う、懐の深い和菓子だな」
あわしま堂さんが、自家炊き餡に込めた情熱。ゆずの香りに癒やされ、小豆の甘みに満たされる。おっさんの午後のひとときは、この一切れのタルトによって、一瞬にして四国の風を感じる贅沢な時間に変わりました。
「!!……あわしま堂さん、素晴らしい和のひとときをありがとう。このゆずの余韻、おっさんの心にしっかりと刻ませてもらうぞ」 おっさんは、空になったお皿に残る僅かなゆずの香りを楽しみながら、次なる「こだわりの和菓子」を求めて、再びスーパーの棚へ想いを馳せるのでした。