チルド飲料コーナーで放たれる、流行の野心

スーパーやコンビニの飲料棚をパトロール中、私の「ドリンク・アンテナ」が、ひときわ目を引くフォントのパッケージを捉えました。今回手中に収めたのは、エルビーの「焙じ茶チーズティー」です。
現在、街中では台湾発祥のチーズティーが大ブームとなっており、専門店には長蛇の列ができるほど。そんな中、手軽に楽しめるチルドカップタイプで、しかも「焙じ茶」をベースにした商品が登場したとなれば、流行に敏感な(?)おっさんとしても放っておくわけにはいきません。
パッケージを確認すれば、「加賀棒茶」を使用した香ばしい焙じ茶に、北海道産のクリームチーズを合わせたコクのある美味しさが特徴とのこと。素材の組み合わせ自体は非常に魅力的で、和と洋がどのような化学反応を見せてくれるのか、期待に胸が膨らみます。
「ほう。加賀棒茶に北海道産クリームチーズか。エルビーさん、私の味覚をどれほど驚かせてくれるのか見せてもらおうじゃないか」
流行の最先端の味を求めて、期待と共にレジへと運びました。

加賀捧茶をブレンドした香ばしい焙じ茶に北海道産クリームチーズを合わせた、コクのあるおいしさが特徴のチーズティーです。


質感の検証。グラスから漂う「香ばしき焙じ茶の香り」

帰宅し、さっそく「琥珀色の休息」を始めます。 まずはグラスに注いで、その色味と香りを確かめてみました。見た目は一般的なミルクティーよりも少し濃いめの茶色。そして、注いだ瞬間から焙じ茶特有の芳醇で香ばしい香りがふわりと広がります。
「素晴らしい。香りの立ち方は文句なしだ。焙じ茶の良さがしっかりと引き出されている予感がするな」
パッケージに躍る「加賀棒茶ブレンド」の文字に偽りなしといったところ。しかし、肝心の「チーズ」の気配が香りからはあまり感じられません。さあ、鑑賞はここまで。いよいよ実飲へと移りましょう。
実飲!「焙じ茶ミルクティー」としての完成度と困惑
一気に一口。 その瞬間、私の口の中で「予想外の旋律」が幕を開けました。
「……? 美味しい。確かに飲み物としては悪くない。だが、これは何かが決定的に足りないんじゃないか?」
まず感じたのは、焙じ茶の風味が活きた「美味しいミルクティー」としての側面です。焙じ茶の香ばしさがミルクと絶妙に調和しており、飲み物としてのクオリティは決して低くありません。焙じ茶をミルクティーとして消化するというアイデアは成功しており、新鮮な味わいを楽しむことができます。
しかし、喉を通るたびに一つの疑問が大きく膨らんでいきます。それは、商品名に冠された「チーズティー」の「チーズ」は一体どこへ行ったのか、ということです。
満足度の真髄。私が感じた「ネーミングと実態の距離感」
飲み進めても、最後までチーズ特有のコクや塩気、あの独特の風味に出会うことはありませんでした。
「ふむ。なるほど。私の正直な感想を申し上げれば、これはチーズティーというよりは、上質な『焙じ茶ミルクティー』だな」
チーズティーの醍醐味といえば、お茶の爽やかさとチーズフォームの濃厚なコクの対比。しかし本作は、全体がミルクティーとして均一にまとまってしまっており、チーズの存在感が皆無と言わざるを得ません。期待していた「流行のあの味」を求めて購入した層からすれば、かなりの肩透かしを食らってしまう形になるでしょう。
「私の個人的な感想としては、これは単なる失敗作ではない。エルビーが焙じ茶の美味しさを追求しすぎた結果、チーズという要素が後ろに隠れてしまった、少し惜しい一品だと言えるだろう。もし『焙じ茶ミルクティー』として売られていれば、納得の出来だったのだがな」
焙じ茶の余韻に浸る、名前を忘れた休息タイム
今回はエルビーの「焙じ茶チーズティー」を徹底レビューしましたが、飲み物としての完成度と、ネーミングに対する期待値のギャップに、少しばかり複雑な思いが残る結果となりました。
特筆すべきは、加賀棒茶の香ばしさが見事に活かされたミルクティーとしての美味しさです。チーズを期待せずに、新しい和風ミルクティーとして手に取るならば、十分に満足できる一杯になるはずです。